メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

林月光氏官能小説挿絵リスト(ヤフオクから)

ふと、ヤフオクで、林月光氏の名前調べたら、SM雑誌がたくさん出てきたので、
雑誌名と記事名控えてたら結構な量になりました。

その供養です。
しかして、SM雑誌の小説のタイトル、雅なものが多くて言葉遣いに感心します。

 

雑誌名 巻号 記事名 発行年
SM fan(ファン) 1972年12月号 パパ・トルコ  1972
SM fan(ファン) 1972年12月号 黒バラ夫人絵図 1972
SM fan(ファン) 1982年4月号 美蕾調教師 1982
SMコレクター 1973年1月号 淫らな鎮魂歌 1973
SMコレクター 1976年1月号 さすらい怨歌 1976
SMセレクト 1972年12月号 淫鳥が啼いた 1972
SMセレクト 1973年10月号 愛奴のいる街 1973
SMセレクト 1973年4月号 羞しい子爵夫人 1973
SMセレクト 1973年3月号 母娘海棠 1973
SMセレクト 1974年12月号 白蝋裸女 1974
SMセレクト 1976年3月号 牝犬狩り 1976
SMセレクト 1989年1月号 凌辱願望 1989
SMファン 1976年5月号 蠱惑の指が踊る 1976
SMファン 1977年4月号 禁断の欲望 1977
SMファンfan 1982年11月号 隷花に妖かしの輪涙を 1982
SMフロンティア 1975年12月号 汚れちまった哀しみ 1975
SMフロンティア 1979年8月号 奴隷花哀歌 1979
SMマニア 1989年5月号 美童艶色に染まりて 1989
SMマニア 1989年1月号 恍惚痴獄譚 1989
SMマニア 1989年9月号 しなやかな性獣たち 1989
SMマニア 1989年8月号 魔淫の連環 1989
SMマニア 1990年7月号 華麗な遊姦 1990
SMマニア 1991年7月号 痴人の密戯 1991
SMマニア 1993年3月号 妖かしの絆 1993
SMマニア 1994年12月号 スレーブハンター 1994
SMマニア 1994年11月号 聖厠洗礼 1994
SMマニア 1994年5月号 折伏神水 1994
SMマニア 1994年1月号 蜜液狂おしく 1994
SMマニア 1995年11月号 未亡人墜落行 1995
SMマニア 1997年2月号  瑠美夫人飼育手帖 1997
SMマニア 1998年7月号 恥水の夜想曲 1998
SMマニア 2002年3月号 烈縄に咽ぶ日々 2002
SMマニア 2003年1月号 失禁アイドル開眼 2003
SM奇譚 1975年1月号 孤愁の淫 1975
SM奇譚 1976年1月号 残酷な遊戯 1976
SM秘小説 1980年6月号 肛虐流転抄 1980
SM秘小説 1994年5月号 倒錯の肉闘劇 1994
SM秘小説 1994年11月号 恥肉は鈴鳴りに燃えて 1994
SM秘小説 1996年6月号 売られる肉唇の嗚咽 1996
SM秘密倶楽部9   聖母の晩餐  
小説SMセレクト 1974年6月増刊号 痴女変化 1974
小説SMセレクト 1974年8月号  恥ずかしき恥辱花 1974

軍隊ソドミア小説文献書誌のようなもの①カストリ雑誌編

色々難航してますが、まとめられたら冊子にしたい。

 

「軍服の男娼たち」  真相実話  1949年5月号  1949  真相実話社  平野斗史
「男色部隊」  怪奇雑誌  1951年10月号  1951  創文社  諸井紋多
「二人の男に惚れられた男娼」  奇抜探求  1952年8月号  1952  不明  赤坂慧
「兵隊を淫殺する兵隊」  怪奇雑誌  1952年8月号  1952  創文社  赤坂慧
「陸軍中尉時代の回想」  奇譚クラブ  昭和27年8月号  1952  曙書房・天星社・暁出版  森井晃
「特集・囚獄の記録 男色榮倉」  風俗草紙  1巻5号  1953  日本特集出版社  松尾亮
「大阪陸軍幼年学校」  奇譚クラブ  昭和28年10月号  1953  曙書房・天星社・暁出版  白石悠
「我が軍隊時代の懐古」  奇譚クラブ  昭和28年3月号  1953  曙書房・天星社・暁出版  森原太一
「男色閑談」  風俗科学  創刊号 第1巻第1号』1953年8月  1953  第三文庫  宮園三四郎
「或る同性愛者の告白」  奇譚クラブ  昭和29年4月号  1954  曙書房・天星社・暁出版  小田雅春
「稚児兵士幹部候補生」  奇譚クラブ  昭和29年6月号  1954  曙書房・天星社・暁出版  龍田信二
「男色遍歴」  風俗クラブ  第1巻第2号 1954年5月  1954  春光社  近藤恭
「秘虐」  奇譚クラブ  昭和30年1月号  1955  曙書房・天星社・暁出版  青葉槙一
「マゾヒストとしての二等兵時代の思い出」  奇譚クラブ  昭和31年8月号  1956  曙書房・天星社・暁出版  才 昭吾
「紅蓮」  奇譚クラブ  昭和31年9月号  1956  曙書房・天星社・暁出版  青葉槙一
「帝国海軍の私刑 -私の体験-」  奇譚クラブ  昭和32年12月号  1957  曙書房・天星社・暁出版  香川章二
「体験談 水平生活と褌」  奇譚クラブ  昭和32年9月号  1957  曙書房・天星社・暁出版  内田武男
「告白小説 屈辱の砂」  奇譚クラブ  昭和33年8月号  1958  曙書房・天星社・暁出版  槙村奏
「ニュース小説 復員船 辰×丸事件」  奇譚クラブ  昭和33年9月号  1958  曙書房・天星社・暁出版  槙村奏
「創作 従卒」  奇譚クラブ  昭和34年1月号  1959  曙書房・天星社・暁出版  菅良太
「法衣と軍服」  奇譚クラブ  昭和34年2月号  1959  曙書房・天星社・暁出版  槙村奏
「体験記 逃亡徴用工」  奇譚クラブ  昭和34年3月号  1959  曙書房・天星社・暁出版  真金鍛次郎 
「回想録 縄のない緊縛」  奇譚クラブ  昭和35年7月号  1960  曙書房・天星社・暁出版  菅良太
「グンタイ・はだか・ふんどし」  奇譚クラブ   昭和36年5月号  1961  曙書房・天星社・暁出版  内田武男

軍隊ソドミア文献書誌をつくろうとして

最近鬱気味で、やりたいことも見つからず、もやっとしていたんですが、(その過程で団鬼六花と蛇』に手を出して大変なことになった)ふと、今持ってる、軍隊ソドミア小説資料を岩田準一氏の『男色文献書誌』よろしく、『軍隊ソドミア文献書誌』としてまとめたらいいのでは? となり、まとめていたら結構楽しく、何とか本にできたらいいなと思います。

 

今までの調査対象が、『さぶ』『薔薇族』とまりだったんですが(林月光調べで見つけていた)、『アドン』や『月刊サムソン』にも軍隊ソドミア小説が載っていると教えてもらい、調べたいんですが、『アドン』は国立国会図書館が持っているにしろ、『月刊サムソン』は国立国会図書館が3冊しか持ってない。なぜ? しらべたらどこかの自治体で有害図書認定されたからかもしれない…。あああ。


で、現物がないんですが、まんだらけ通販で過去販売されたゲイ雑誌の目次をひたすら見ていくという作業をしていまして、確かに『月刊サムソン』に軍隊とうたったゲイ小説掲載されているみたいです。1990年代まで載ってるのは少し驚きました。
しかして現物がないですよ。しょんぼりだよ。

2024年5月19日文学フリマ東京で、軍隊男色小説「炎と煙」シリーズを発行します

何がきっかけで調べ始めたのか、とんと忘れてしまったが1970年代の『薔薇族』を調べている中で、花田勇三という作家に出会った。


何せ読者からべた褒めされている。やややと思い、当該作品を国立国会図書館に複写で申し込んだ。タイトルは「素っ裸の鬼たち」。

これが私と軍隊ソドミア小説「炎と煙」シリーズとのファーストコンタクトである。


花田勇三氏の「炎と煙」シリーズは、1975年から雑誌『薔薇族』『さぶ』に連載された、戦時下、中国を舞台に活躍する鉄道機関兵・花田勇三の物語だ。

私鉄の鉄道機関助士であった花田は、当時鬼と噂され、皆に避けられていた鉄道機関士・大田誉と運命的に相勤(コンビ)となり、花田は大田の鉄道機関士としての腕前と武骨な性格に次第に惹かれ、大田もまたどこまでもしがみつき努力する花田に惹かれ、2人はやがて心を通わすようになる。
幸せな日々を、一枚の召集令状が壊す。大田が召集された。行先も、連絡先も告げないまま。どこまでも大田らしかった(「炎と煙」)。

その背を追って、花田もまた鉄道機関兵として応召される。
応召された花田は、そのまっすぐすぎる性格から初年兵いじめにあう。それを救うのが戦友の新見だ。彼ともまた心を通わし、義兄弟の契りを結ぶ。(「素っ裸の鬼たち」)

無事、試験に受かった花田は鉄道機関兵になり、実習を経て、中国へ赴任する。壮行会で、花田に好きだと告白した金村という同年兵がいた。彼は酔って、前後不覚に陥った花田に体を寄せ、生きていてくれと願う。(「赤とんぼと機関車」)

中国に渡った先でであった、国鉄出身の黒羽は、何かと花田に言いがかりをつける。実は彼は花田が気になって仕方なかった。せっかく分かり合えた2人だが――。(「炎の柩」)

これ以降も、一夜のいい漢との邂逅(「泥濘」)、好感度の高い見習士官が着任(「散華」)、運命の男、大田と再会(「螢」)と話は続く。
番外編「雁」「鯉」もあり、花田と彼を取り巻く魅力あふれる戦友たちの物語に、グッと心を掴まれる。

これらの物語群は、しかし本にならなかった。初期のゲイ小説はよほどのことがないと、書籍化までは至らなかったのかもしれない。結果、名作であるにもかかわらず、残らず、インターネットにも記録されず、掲載誌が国立国会図書館にあるだけとなった。


もったいない。こんなに心を震わす物語なのに、当時あんなに人の琴線に触れたのに、忘れ去られて。


しかし、花田勇三氏がどこでどうなったかわからない。今はさすがに生きていないだろう。

けれども著作権は生きていて、切れる頃には私もきっとこの世にはいない。


どうしたら、この作品を私が好きな作品を同じように愛してくれる人たちとシェアすることができるのか。


そこで自身で、本にすることにし、著作権の裁定制度を利用して、印税を国に納める形で、今回、文学フリマ東京で販売することにした。
見本誌を出せば、文学フリマ事務局を通じて、どこかの図書館に残るだろう。そして何より、手に取ってくれた方の手元で、物語は暫くの間生き続ける。
それが私の、「炎と煙」シリーズに対して表する敬意の形だ。

ぜひ、5月19日の文学フリマ東京で、手に取っていただければと思う。

 

3月になってしまった…

感想を書こうとしながら瞬く間に2月が去っていきました。
寒い日々が続いていますが、皆さんお元気でしょうか。

さて、軍隊ソドミア小説おいしいとあっちこっちで騒いでいたら
1980年代の薔薇族やさぶにも掲載があるし、
アドンやサムソンにも載っていますよと教えていただきまして、
しかして巻号がわからず、まんだらけの過去雑誌の目次画像とにらめっこする日々です。
軍ソドって、たいてい、念者が30代ぐらいのイメージですが、
40代50代がでてくる作品もあり、奥が深いなと思います。

 

で、軽い気持ちで入手した、月刊サムソン1992年3月号に
野戦病院という、戦時中の台湾の野戦病院を舞台にした軍隊ソドミア小説がありまして、戦争の描写は少なく、男たちの愛欲がこれでもかとぬるっと紡がれていて、
それはそれで楽しいです。
国立国会図書館になぜか、3冊しかない月刊サムソン。

そのうち2冊が1992年のもので、野戦病院のお話が読めました。

1話で憧れのタチ(BLで云う所の攻め)である大佐の軍医が出てくるんですが、
(40代のお稚児さんを抱えているのはちょっと初めてのケースでびっくりした)
9話でなぜかウケ(BLと同じ)になっていて、主人公がショックを受けるんですけれど、そのまま続くとなっておりまして、
これもしかするととんでもない大長編ではなかろうかと、1992年の月刊サムソンを探してヤフオクを眺める日々です。
でも全然見当たらないんですけどね。
国立国会図書館に納本があったらよかったのになぁ。

 

もうちょっとさがしてみます。はい。