メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

『百と卍』『雪と松』...この、江戸BL漫画が熱い! 読んでおくべき江戸BL漫画3選

BLを過剰摂取しすぎて、しばらく遠ざかっていたのですが、 男色大鑑から、江戸BLが熱くなり、 またBLに戻ってきてしまった、メガネです。 卒業していった友人たちは、出戻ったりしていないだろうか…。 さて今日は、私を沼へと呼び戻した江戸BL漫画で、 秀逸だった作品を3点ご紹介します。

【ご注意!】 BLという単語に違和感を持っていたり、同性愛といった描写を苦手と思われる方は、 回れ右でお願いします。

これだけは外せない! 『百と卍/紗久楽さわ/祥伝社onBLUE comics』1~3巻(以下続刊)

https://comic.pixiv.net/works/2727

陰間(江戸時代の男娼)あがりの百と火消しの過去を持つ卍の日常生活を描いたハートフルラブストーリー。 二人でいる日常が、たまらなく愛しい作品。 百の過去が卍の悋気を誘ったり、卍の過去を百が男気を発揮して優しく包んだり、比翼連理の二人とは、こういうのを言うのだろうか、と思わせる作品です。 浮世絵を思わせる優美なイラストがとても素敵です。そしてとてもエロスです。 それぞれが悲しい過去を持っているので、百と卍が互いを求めあい、希望ある未来を作っていってくれたらいいなと願わずにはおれない作品。 第22回文化庁メディア芸術祭においてマンガ部門優秀賞を受賞している(BLでの受賞は初)、将来有望な作品です。

ほのぼの日常が愛しい 『雪と松/高橋秀武/集英社eyesコミックス』1~3巻(第一部完)

https://comic.pixiv.net/works/3452

町はずれに粗末な庵で医者をしている松庵と、彼が雪の日に拾った謎多き美丈夫「雪」の日常系ラブストーリー。 石ノ森章太郎の佐武と市 捕物控を思わせるようなコマ割りと、黒と線を基調としたイラストが秀麗です。 雪さんがどんな過去を背負っていても、受け入れる松さんと、どこかひょうひょうとして松さんに執着していないようなふりをしつつ、松さんに何かあれば大嫉妬をこじらせるいじらしいところがある雪さんが愛しいです。 3巻ラストで、二人がもう本当に年老いてよぼよぼにあるまで一緒にいるような夢が見れましたので、第一部完となっていますが、ぜひ、二人の生活をまた拝見したい作品です。 ちなみにしっかりエロスです。はい。

憎くて愛おしい、命をかけた剣と肉の交わり―― 『仇椿ゆがみて歯車/吹屋フロ/リブレ出版BE×BOY COMICS DELUXE』

https://www.b-boy.jp/comics/125814

稀代の剣の達人・間宮に押しかけ弟子入りした侍・一馬。実は、親の仇討で間宮に近づいたのですが、側にいればいるほど間宮の剣の美しさや人柄に惹かれていき、このまま、弟子として生きていられればと淡い期待を抱く一方、間宮も一馬の天真爛漫さに惹かれていくけれど、一馬の目的を間宮が知ってしまい、二人は決闘することに。 憎くて愛おしい。殺したかったはずなのに殺せない。贖罪に殺されてもかまわない。二人の様々な思いが交錯する、心揺さぶる時代劇。 大ボリュームで、紡がれた物語は、もう、素晴らしいに尽きます。二人の死闘のシーンの苛烈なまでの美しさも見ものです。 後日談の幸せな二人もぜひチェックしてください!

以上、江戸BLのお勧め漫画の紹介でした。 どの作品も悶えながら読むことができますので、BL苦手でなければ、ぜひ読んでみて下さいね。