メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

鬼夜叉君(のちの世阿弥)の成長がまぶしい『ワールドイズダンシング1巻』感想

稚児についての調査が小休止しているメガネです。
さて、中世の文化に今ずぶずぶなんですが、そのきっかけを作ったのが「能」のあらすじを調べることでした。

で、「能」について調べるうちに、観阿弥世阿弥に必ずたどり着くわけですしかも世阿弥足利義満の寵愛を受けていたとなると、まー、がぜん調べたくなるというか。
世阿弥に関して、雨瀬シオリ先生が短編「ぜあ」を描いていたり、杉本苑子先生の『華の碑文』を読みました。このラインナップに

講談社のモーニングで連載中の『ワールドイズダンシング』が加わります。

 

あらすじは

シェークスピアより昔に世阿弥がいた。「わびさび」の走り、世阿弥がいた。庶民の代表者である芸能者が、国を、社会を変える! 世阿弥こと鬼夜叉は、父親・観阿弥の命令でとりあえず舞っている美少年。観阿弥が頭をつとめる人気の一座・観世座に所属しているが、何故舞う必要があるのか常に疑問に思っている。そんななか、ある小屋で、貧弱な体と枯れた声、下手な動きで舞う女を見かけた。いいはずないのに、その姿に鬼夜叉は「よさ」を強く感じたのであった…。「身体」を武器にした中世ダンスレボリューション、開幕!!

講談社サイトより

 

この物語の主人公鬼夜叉君は、どこか抜けていて、一見、能の大成者となるようには見受けられません。
ただ、元白拍子の女性、謎の農家の?青年、商人の女の子と出会ううちに、踊りとは何か、能とは、幽玄とは、と着実にステップアップしていきます。

成長していく姿がまぶしいです。
1巻最後のほうでは、鬼夜叉の運命を決める義満もちゃっかり出てきて、2巻以降どうなっていくのか楽しみです。

(と思っていたら、すぐ2巻でそうで嬉しいです)