メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

戦場のメリークリスマスをみて

昨年、薔薇族から始まり、さぶ、奇譚クラブ、風俗奇譚、その他のカストリ雑誌から軍隊におけるソドミア(現在でいうところのゲイやホモ)を扱った作品を軍ソドと称して、愛でていた経緯があり、
その最たるものとして有名だった、映画「戦場のメリークリスマス」を見に行く機会がなかなか訪れなかったのは不幸でしかなく、今年の大規模ロードショーに運よく滑り込んで、鑑賞ができたのは幸いだった。

 

で、主人公セリアズとヨノイの関係性だけを描いたのかと勘違いしていたのだが、
初っ端から、軍属カネモトとオランダ兵の俘虜とのソドミア(まるで綿貫六助の『戦争』に出てくる露西亜人俘虜と日本人衛生兵の甘いソドミアの顛末を見たような気がした)、ハラ軍曹とロレンス中佐の友情に似た関係、ヨノイ大尉と彼を慕う従卒の崇高な愛など、随所で軍ソドの薫香がして、エンドロールまでたどり着いた先の、充溢感というか、こんなに素晴らしい作品を、どうして見ていなかったのかと思った。


戦メリに目覚めてしまった私はTシャツを買い(今年の夏着倒すだろう)、古本のシナリオや原作小説を買うに至っている。

余談だが、戒厳令の夜に参加できなかったヨノイ大尉が前線にいるでもなく、南国で俘虜収容所所長をしているのは、彼が226事件のある種の生き残りだからで、軍人でありながら、前線で死闘を繰り広げるでもなく(1942年がそれほど激戦であったとは記憶していないが)、爛熟した南の島の俘虜収容所所長という立場にそれなりにやきもきしていたのだろうなぁと勝手に推測する。
英国軍の軍事機密を知りたがったのも機密を上層部に報告して、自分の置かれている場所を変えたかったのかなと。
あくまで想像ですが。

名作だったので、大規模ロードショーにみに行けたのは幸いだったと思います。はい。