メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

「1999年の夏休み」「弥勒」…少女が演じる、少年たちがみずみずしい。映画2選

f:id:todoroki_megane:20210120083501p:plain おひさしぶりですこんにちは。 コロナでいろいろ滞っていたメガネです。萌えを摂取しないとどこまでも心が矮小化するなーと思った日々でした。

そんな日々の中で、見返していてまぶしかったのが映画「1999年の夏休み」と「弥勒」。どちらも少女が少年を演じ、不思議な世界観を持つ作品となっています。 とくに「1999年の夏休み」は根強いファンがいらっしゃって、2020年には舞台化、物語の舞台となった大倉山での上映会があるそうです。何それ素敵。

というわけで、少女が演じる少年たちがみずみずしい映画をご紹介します。

隔離された学院で少年4人が過ごす夏休みは「1999年の夏休み

【あらすじ】 森に囲まれた全寮制の学院を舞台に、自殺した少年をめぐって葛藤し、傷つけあってしまう少年たちの愛憎を描いた青春ファンタジー。 後に平成ガメラシリーズや「デスノート」シリーズを手がける金子修介監督がメガホンをとり、主人公の4人の少年たちには、当時10代の少女たちを配役することで、少年の美しさを際立たせた。4人の少年のうちのひとり、則夫役を演じた深津絵里(当時は水原里絵名義)が、今作でスクリーンデビューを飾っている。 山と森に囲まれ、世間から隔絶された全寮制の学院で、美しい少年たちが共同生活を送っていたが、ある夜、ひとりの少年・悠が湖に身投げをして死んでしまう。夏休みになり、帰るところがなく寮に残っていた和彦、直人、則夫の3人の前に、悠にそっくりの薫という少年が現れ……。1988年の劇場公開から30年を迎えた2018年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。 (映画.com サイトより

【見所】 萩尾望都先生のトーマの心臓めいたお話です。 隔離された全寮制学院で、4人の少年が過ごす夏休み。 4人しかこの世に存在しないのではないかと錯覚するほど静謐な世界です。 それぞれ抱えている思いや痛みを、一人の少年が波紋のように広げていきます。 もろく壊れやすそうな、少年像を少女が演じ、それを声優が吹き替えるという手法をとっているので、 なんだか見ていてとても不思議な感覚に陥ります。 長野まゆみ先生の初期作品が好きな方など心に触れるものがあるのではないでしょうか。 交錯する思い、少年4人の関係がどうなっていくのか、夏休みの行方は。 個人的に薫が電話しているシーンと、嵐のシーンが好きです ぜひ、見ていただきたい作品です。 デジタルリマスター版の円盤化が待ち望まれます!!

夢見る少年がきらきらしてる「弥勒

【あらすじ】 大正から昭和にかけて数々の作品を発表した作家・稲垣足穂の自伝的小説「弥勒」を、「私立探偵濱マイク」の林海象監督と永瀬正敏主演で映画化。友人たちに触発されて小説を書き始め、文学に夢を抱いた少年時代から10数年、江美留は酒に溺れる売れない極貧作家として堕落した生活を送っていた。そんなある日、江美留の部屋の窓ガラスに鬼の姿が映り、鬼は江美留に「お前が目指す人間とは何か」と問いかける。永瀬、佐野史郎井浦新らプロのキャスト、スタッフのほか、林監督が教授を務める京都造形芸術大学芸術学部映画学科の学生90人が参加し、各担当部門のプロとともに作り上げた。 (映画.comサイトより

【見所】 稲垣足穂の自伝的小説「弥勒」の映画化。少年時代を描く前編と、極貧小説家の時代を描く後編から成り立ちます。 前半の少年時代、主人公「江美留」は夢と希望にあふれた人生を送っていましたが、友人の一人が自殺し、天文台に入る博士に「人はどこから来てどこへ行くんですか」と聞きに来ます。 天文台の博士には逆に「教えてくれないか、人はどこから来てどこへ行くのか」と問い返されます。 最終的に小説家を目指すことにした江美留ですが、10数年後は落ちぶれていきます。

メガネが個人的に着目してる少年時代は、女学生たちが少年に扮して演じており、夢と希望にあふれた主人公はもちろん、どこか蔭ある友人など、見ていてときめきます。 モノクロで描かれた作品ですが、撮影技法が興味深い作品でもあります。

24年組に描かれる少年や、長野まゆみ作品などから少年の姿に焦がれる少女は多く、最近は少年装なる言葉もあり、様々なプライベートブランドから、少年を彷彿させるお洋服や靴下止めなどのグッズも販売されていて、アラフォーですが、心に少年がいるメガネさん的にはいい時代だなぁと思います。