こんにちは、メガネです。
平凡社ライブラリーから出た高原英理編『少年愛文学選』もう読まれました?
いたるところに少年愛エッセンスがあり、胸キュン。あの文豪がこんな話を…? と色々見る目も変わるというか。はい。
感想を書きたかったですが、うまいこと言葉が出てこないので、好きなセリフを各作品から紹介していきます。
山崎俊夫『市彌 信夫 夕化粧』
「(中略)だから僕はこういううつくしい夢を抱いたまま、だあれも見ないところで死んでしまいたいよ。」
「その時はあたいも連れてっておくれな、いっしょに。」
「ああ。」
「 きっとだよ。」
(p.22)
折口信夫『口ぶえ』
「漆間君」
「渥美君」
二人ながら声はしわがれていた。
(p.121-122)
江戸川乱歩『乱歩打明け話』
(前略)当時、十五歳の若衆時代には、これでなかなか色っぽかったものである。
(p.125)
倉田啓明『稚児殺し』
「君は今どんな事を考えてるの。」
「死ぬことばかり考えてるの。」
「そして君は死にたいと思うかい。」
「いいえ。最っと生きてみたいと思ってるよ。」
(p.160)
木下杢太郎『少年の死』
「君には犠牲的精神があるというのだろう。」
「別にそんな事を高慢にするのじゃない。」
(p.216)
武者小路実篤『彼』
「しかし僕は嬉しかったよ」彼は僕の顔を見た、しかし自分の眼鏡が曇っていたので彼の表情を見ることは出来なかった。
「ほんとに嬉しかった。君が僕を嫌わずに愛していると云うのだもの。(後略)」
(p.235)
稲垣足穂『RちゃんとSちゃんの話』
Rちゃん! Rちゃん!
僕にもちょうだいね
仲よくしましょう
桃色のレースのついたハンカチのRちゃん!
でも君はほんとうにシャンですね
僕は君の顔が世界中で一番好きです
君の事を思えば学校なんてどうでもいい
(p.290-291)
堀辰雄『燃ゆる頬』
彼は瘠せた、静脈の透いて見えるような美しい皮膚の少年だった。まだ薔薇いろの頬の所有者、私は彼のそういう貧血性の美しさを羨んだ。
(p.303)
大手拓次『沈黙の人』
(前略)ああ、宮田のアレになってるから、すまないが兄弟分にはなれない、その代り、親友になろうと。
(p.325)
村山槐多『ある美少年に贈る書』
永遠に生命の限り彼は君につきまとひ君が空になるまで君の美を追求せずには居ぬのであらう
(p.329)
川端康成『少年』
お前の指を、手を、腕を、胸を、頬を、瞼を、下(メガネ注記:舌の間違い?)を、歯を、脚を愛着した。
僕はお前を恋していた。お前も僕を恋していたと言ってよい。
(p.337)
中井英夫『夕映少年』
「可愛いって、それじゃ、男の子。それとも女の子」
「男の子」
「じゃあ」
(p.377)
塚本邦雄は該当なし
春日井健『未青年』
学友のかたれる恋はみな淡し遠く春雷の鳴る空のした(p.383)
プラトンを読みて倫理の愛の章に泡立ちやまぬ若きししむら(p.384)
高原英理『青色夢硝子』
全てはまだ始まっておらず、しかももう終わっていた。
(p.406)
興味を持たれたら、ぜひ、少年愛文学選を手に取ってくださいね!