メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。

芥川龍之介のボーイズラブ(?)作品 SODOMYの発達(仮)について

f:id:todoroki_megane:20210317110444p:plain

近代文学にひっそり潜む男色。

先日読んだ、清家雪子先生の漫画『月に吠えたンねえ(1)』のなかで、近代文芸の男色文化の説明があり、その中で紹介されていたのが、芥川龍之介の『SODOMYの発達(仮)』です。


かなり直球な作品で、性的行為や身体描写がローマ字。解読するとすごく赤面します。私はいったい何を読ませられているのだ…。
この作品は、自分自身の事実に多少の粉飾を加えたもの、とあるので、根源は芥川の実体験…! 突如色めき立ってきましたよ!

それでは、SODOMYの発達(仮)を岩波書店出版の全集23巻収録分よりご紹介します。

(ちなみにSODOMYとは男色のこと、言葉の起源は聖書のソドムとゴモラの町からです)
ボーイズラブというか、性行為に嫌悪感がある方は今のうちに回れ右してください。

LOVEの発生

主人公、清が11歳の時、2歳年上の木村と友達になり親密になるうち、木村が手を握ってきたり首をなでたりしてきます。
木村は「君 僕は君にLOVEしちやつた君はLOVEつて事をしつているかい え」と告白、性行為を求めてきます(最後まではしていない)。

性の目覚め

清が中学1年の時、二級上の勝田と親しくなります。

ある日ある時二人で出かけたときに勝田が「OKAMAかせよ」と迫ってきます。押し問答の末に勝田と一線を越える清。回を重ねるうち、とうとう清は勝田のCHIGOになってしまいます。
(なおこのくだりはローマ字が多く、読んでいて赤面します。はい)


弟分から兄分へ

清が中学3年生の時、1級下の小泉という美少年を相手に欲望を満たそうとし、近づきます。
家に招き、二人きりで風呂に入り、小泉に「I LOVE YOU」とささやき、「僕のCHIGOさんになり給え」と迫ります。

最初は嫌がる小泉ですが、最終的に二人は男色の関係へ。

 

男色から女色へ

4年生から5年生になるとき、清は悪少年になっていて、グループをつくって複数人がかりで何人もの美少年を辱めるように。
ある時南という美少年を手籠めにしようとしているところに、南の姉が乱入。清は南の姉に手を出します。この時は未遂ですが、後日、縁日で南の姉と再会した清は彼女に付きまとい、露地の一つに入ったときに彼女をとらえ、手籠めにします。

かなりマイルドに書きましたが、あらすじはこんな感じです。
書いていてとても恥ずかしかった…。

この作品の興味深いところは、弟分(BLでいうところの受け)から始まり、兄分(同攻め)となり、最後は女色で終わる過程をなぞっているところでしょうか。
男色文化は、一定の期間が過ぎるとその役割を卒業する側面があり、若衆(BLでいうところの受け)は、元服したら若衆を辞めますし、念者もある程度すれば、普通に女性と結婚するんですね(結婚後も、男色・女色を維持し続ける場合もある)。
この作品でも、主人公・清は、年齢とともに男色の中での役割が変わってきていて、何かしらの通過儀礼のように、男色を経験した、といってもいいような気がします(あくまで推論ですが)。
今まで芥川龍之介といえば、羅城門・蜘蛛の糸のイメージでしたが、だいぶん見方が変わりました。

 

参考、引用文献は下記です。

 

 

 

芥川龍之介全集〈第23巻〉日録・講演メモ他

芥川龍之介全集〈第23巻〉日録・講演メモ他