こんにちは、日々萌を探しているメガネです。 Pixivで好きな絵師様の絵を見ていたら、出会ってしまった『特別な友情―フランスBLセレクション―』。
https://www.shinchosha.co.jp/book/204513/
ランボー、コクトーなどの小説・詩から美味しいところだけを抜き取った、まさにベストセレクション! そのなかから、メガネの心を鷲掴んだ3つのお話を紹介します
その1 ロジェ・ペールフィット 『特別な友情』(抄)
萩尾望都先生などに影響を与えたとされる映画『悲しみの天使』の原作。 寄宿学校を舞台に繰り広げられる少年たちの友情、名誉、裏切り、密告、ひそやかな恋、大人の狡賢さ――。 手紙でやりとりされる熱い言葉達。けれど運命は悲劇の方に針を向ける。 恋の片割れが選んだ服毒死。悲しむ主人公。 まるで萩尾望都先生のトーマの心臓を読んでいるみたい!(こちらが先なんですが)。 途中途中あらすじがまとまっており、入門編としてとても読みやすいです。
その2 ラシルド『ムッシュー・ヴィーナス』(抄)
トランスジェンダーの恋の話。 高貴な生まれの男装の麗人と、女性化していく貧しい絵描きの男性と繰り広げる恋模様。身分違いの恋と、ジェンダー・セクシャリティを楽しみたい方に。 あらすじ→読ませたい小説部分、となっているので、とても読みやすいです。 ただ、三人称が男装の麗人が彼女で、女性のような絵描きの青年が彼なので、読んでいるうちに脳内がバグるのと、人間関係が話が進むに連れ複雑化していくので、ゆっくりじっくり読むことをおすすめします。
その3 ジャコモ・カサノヴァ『わが生涯の物語』(第一巻第十一章)
色男の主人公が旅先でカストラート(去勢した歌手)の属する家族に出会い、なんとかしてカストラート少年の持つ秘密を暴こうと、あの手この手で少年を手に入れるべくいろいろあがくお話。 カストラートの少年の秘密については、巻末の解説で明かされるので詳しくは書きませんが、性別関係なく、僕自身に惚れたんでしょう的なセリフを吐くカストラートの少年に喝采を浴びせたいです。 個人的にカストラートという題材が好きなので、贔屓目で選んでしまいましいたが、面白いです。
ブロマンス、トランスセクシャル、カストラートなどなど、一つ一つでも美味しいのに、それらをまるっといろいろ紹介(なおかつ現代語訳がとても読みやすく親しみやすい)しているので、フランス文学入門に最適です。
素敵なご本なので、興味ある方は是非!
(初めてサド公爵の文章を読み、その奔放さにびっくりしたのは秘密です)