メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

2019年10月5日「若衆文化研究会秋祭り」レポート

f:id:todoroki_megane:20210120083913j:plain こんにちは、メガネです! 今日はランキングサイトなのにランキングを無視して(他のライターさんたちすいません…)、先日参加した、「若衆文化研究会秋祭り」のレポートをしたいと思います! 昨年男色大鑑に出会った時に、知ってしまった、西鶴の男色大鑑をとても分かりやすく親しみやすく研究している「若衆文化研究会」の祭りがあるというならば、参加するしかないといそいそと上京しました。 以下レポートです。

「若衆文化研究会」染谷先生の挨拶

「若衆文化研究会」の染谷先生の挨拶からスタート。とても親しみやすい先生で、初参加でも安心してその場にいられました。もう何回目だそうですが、これからも続いていってほしいですね。

口絵を担当した漫画家さんの制作秘話

口絵を担当された、こふで先生、あんどうれい先生、九州男児先生、大竹直子先生のイラスト解説。 こふで先生は、荒々しい受けが好きということで、担当した初太夫を最初すごみある絵にしていましたが、若衆ということで、やわらかい風に表現を訂正されたとのこと。 半弥は顔の描写から、たれ目、優しそうな雰囲気、を反映したそうです。どちらの絵も眼福でホワァとなりました。 あんどう先生は、小桜を。これは角川書店の男色大鑑コミカライズのために選んだ作品のうち、漫画化しなかったので、今回描けて良かったとのこと。 左馬之助は自分がかわいいのを知っていて、こびている感じを出せたらと。 いわれて絵を見ると、小桜は天真爛漫のふわっとした感じ、左馬之助は自分のかわいさを知っている顔だなぁと納得しました。 九州先生は、すごく作品を正確に絵に投影されようと沢山調べている感じがひしひしと伝わってきました。出来上がったイラストは千之丞も主膳もなまめかしく、とても素敵でした。 大竹先生は、西鶴最推しのやんちゃっこ辰弥について、コミカライズ時の資料の「簡単に親指を切る話」に惹かれて漫画でもかいたそうです。 対して、平八はメンヘラに取りつかれる憑依体質。着物の柄が藤と蜘蛛なのは、上村松園の絵をオマージュされたそう。 表紙の上村兄弟は兄の二代目吉弥は優等生で、弟の辰弥はやんちゃで華やか、悲嘆なお話は向かない子だそうです。 裏表紙の西鶴は、先生の中では佐々木蔵之介をイメージ。染谷先生は渡辺謙かと思ったそうです。 恋文は本当に原文の写し取っているので、読めたら崩し字の勉強になりますよと、染谷先生。

染谷先生、畑中先生による『男色大鑑 歌舞伎若衆編』読みどころ紹介と解説

まず、武士編と趣向が違うという切り口から。 現代に息づく「推し」という文化が、男色大鑑の歌舞伎若衆編とリンクしていることに着目した畑中先生は、なんと、推しに素早くたどり着けるフローチャートまで作ってしまいました。すごいです! また、歌舞伎若衆編にはなんと、西鶴本人が登場。しかも、イケメンといわれた人よりなおイケメンに描かせているという徹底ぶり。 武士編=鶴翁、歌舞伎若衆編=鶴爺、ぐらいの落差があると染谷先生。 となんだかんだ言いつつ、西鶴俳諧の人なので、ラストは格好良く締めているんですよね、というところで話がまとまりました。 ちなみに、帯の文句がすごすぎて、染谷先生が学会で発表するというどうしようとちょっと困り顔だったのが印象的でした。

学生による、念者・若衆コスプレ

染谷先生の授業を熱心にとっている学生さんに、念者と若衆のコスプレをしてもらい、ポーズをとってもらったら、一気にクロッキー会になりました。 いやー、イケメンは見ているだけで心が弾みますね! 年齢もちょうど、念者・若衆ぐらいの世代だったので、こういう感じなんだなぁとしみじみ眺めてしまいました。 寿命を延ばす薬のようなお時間でした。

「タイLGBTQよもやま話」

タイ・チュラーロンコーン大学のナムティップ・メータセート先生による、性多様性が進んでいるタイの近年~現代のお話を。 壁画に秘された、様々な恋の形や、雑誌の表紙や映画に出てくるトランスジェンダーなど、トランスジェンダーにまつわるお話が楽しい一方、トランスジェンダーパラダイスといわれるタイでも、現在の形になるまで、トランスジェンダーの方々が様々な戦いをしてきた結果に勝ち取ったものだということに、すごい国だなぁと思いました。 余談ですが、山田長政が有名なのに、ちょっとびっくりしました。はい。

若衆チャートからの大抽選会

畑中先生力作の推しを探すチャートで、たどり着いた若衆それぞれに景品が用意されていて、大抽選会となりました。 私は帰りの時間の関係で、ここで離脱しましたが、会場がどっと沸いていて、素敵なお時間でした。 その後の懇親会なども楽しかったというお話をツイッターで拝見するので、最後まで参加出来たらもっと良かったなぁと。 でも、男色大鑑について、もっと深くなれた秋祭り、参加できてとても楽しかったです。 いやー、同じ同志の方がたくさん集まる場所っていいですね。

これからも、様々な動きをするようで、「若衆文化研究会」ぜひチェックしてください。 以上、メガネでした!