メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

2021年6月19日は、WEB若衆研、喜雨の夜会に参加しました

2021年6月19日は、WEB若衆研、喜雨の夜会に参加しました。
個人で春画を収集、勉強していらっしゃる春画ールさんをゲストに、
染谷教授と大竹先生の司会で進みました。
男色大鑑は、「男色」とついていますが、当人同士の心の交流などが主に描かれているので、「男色の性愛」はとても控えめです。
どちらかというとブロマンスとか、次の行で一晩経っていたとかそんな風です。
今回は春画という直球のテーマで、「男色の性愛」がぶつかってきました。いやー、iPadに映し出される、くんずほぐれつの男色性愛図。だいぶん赤面しました。
さて、春画ールさんから2つの男色が描かれた春画をご紹介いただいたのですが、1つ目の作品がとても苛烈に印象的だったので、ちょっと記録しておきます(記憶違いがあったらすみません)。
ご紹介いただいた作品は、

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絵師名 竹原春朝斎
たけはらしゅんちょうさい
作品名 異開奇莖/於荘玉開
いかいきけい/おそうぼぼヵ
技法 墨摺
版型 半紙本
点数 4冊
板行年 寛政七年
西暦 1795

国際日本文化研究センター所蔵

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ある日、女性が諸国遍歴の旅に出て、いろんな性愛の国をめぐる中で、「好後国」という国にたどり着きます(巻の2です)。
そこは男しかいない国。
国の起こりは、島に二十余人の男たちが漂着し、生活を始めたところに、高尚な僧侶「こうぼぼ大師(弘法大師のパロディ?)」が現れ、男色のありがたみを説き、島の男たちはその教えを尊び、なんと男が子供を出産する秘術を授けてもらいます。
ああ、江戸時代のオメガバース
ちなみに、若衆と念者のような年齢システムがあり、若いころは子を孕んで産み、ある程度年を取ったら、子を孕ませる側になるということで、リバもあり。なんという国だ…! 
なお、子供は尻で育ち(?)、大きなおならと共に尻から生まれるので、へのこと呼ばれたとか。尻から生まれるので、糞まみれで、沐浴するまで臭いんだとか。ただしこれは現代の感覚で、大竹先生によると、腸を洗浄する手段がない時代に、セックスして、男根に糞が付くのはあることで、むしろその匂いが欲情(?)を誘ったのではと。
またフランスの詩人も、男根に糞が付いた様子を黄金の輪と表現したそうです(詩人の感性よ…)
ちなみに、この島は男だけの国(島)ですので、もちろん男の子しか生まれません。
アマゾネスなんかは男を攫ってきて子種をもらい、男の子が出来たら放逐しますが、この国はそもそも男しか生まれないので平和だなぁと思います。染色体どうなってるの。

春画には、美少年カップルもありつつ、中年カップルもいたので、愛に年齢は関係なさそうです。高齢でも出産することがあるんでしょうね。産婆ならぬ産爺もいるそうで、満ち足りてるなぁと思いました。

 

2作目の春画もとても刺激的で…。

 

楽しかったです!(ハッスル)

 

第2弾もあると嬉しいです。楽しい会をありがとうございました。