こんにちは。メガネです。
能とプロレスを扱った壮大な家族の話、ドラマ「俺の家の話」でも出てきた、世阿弥。
能の創始者の父、観阿弥と並んで有名ですが、名前だけ先行しすぎて、
世阿弥ってどういう人だったんだろうか…。と悩まれる方もいらっしゃるかも。
実は私もその一人でした。
というわけで、私が世阿弥について知るために読んだ本をご紹介します!
まずは美麗なコミックスで世阿弥と足利義満の出会いを!
大竹直子先生「秘すれば花」
しょっぱなからBL持ってきましたが、何を隠そう世阿弥は将軍足利義満の稚児でした。よって、男色が出てきても何ら不思議ではないという。
このお話では、主人公・鬼夜叉(のちの世阿弥)が様式の色気を出せと父・観阿弥に命じられますが、その色気の出し方がわからない鬼夜叉。
同時分、他の猿楽一座の陰謀によって、狼藉者に捕まり、桜の木に縛られて、手籠めにされる鬼夜叉(のちの世阿弥)が行為の最中に、能の「花」に開眼するというお話です。
ちなみにこの時の狼藉者の正体が又! 先生演出が憎い! となります(kindleで配信中)。
世阿弥の懊悩を描く読み切り作品
雨瀬シオリ先生の「ぜあ」
お次は、『ここは今から倫理です』などで有名な雨瀬シオリ先生の書下ろし作品「ぜあ」。
19歳の世阿(世阿弥)は日に日に衰えていく己の美貌とは逆に50を過ぎてもなお、面をかぶれば可憐な少女を舞台上で演じられる父を恐れています。
足利義満、観阿弥、面打師の弥勒は、みんな世阿を買っていますが、本人が気づいていません。(観阿弥などは直接褒めないので、余計に世阿が負のループ)。
情念が顔に出すぎていて(その顔が美しすぎて)、直面(面をつけないこと)は難しいと判断する観阿弥。一人、失われていく美を恐れて絶望し、役者の苦悩の地獄に身を置く世阿弥。
なにこれ、観阿弥がいなくなった後、どう立ち直っていくのかむっちゃ読みたいので、続編希望です。はい。
(雑誌のバックナンバーがkindleで入手できるとはいい時代です)
世阿弥の生涯を知ろう!
『華の碑文――世阿弥元清』(中公文庫)
はい。こちらは小説で、世阿弥の生涯を描いた作品です。上記2作のまんがで興味が出てきたら、手を出すといいと思います。
世阿弥の弟視点で描かれる世阿弥の生涯。
猿楽の一座の観世座が独自の舞踊「能」を作り、将軍に気に入られ、スターダムにのし上がりながら、観阿弥の突然の死、政変、流刑、など様々な苦難を乗り越えて、世阿弥が生涯を賭して、能を完成させていくまでが鮮やかに描かれています。
世阿弥の生涯を知るには最適な本だと思います。
番外編
これからが楽しみ!
世阿弥の「身体」に」没頭する物語「ワールド イズ ダンシング」
モーニング2021年17号から連載が始まりました、三原和人先生の「ワールド イズ ダンシング」。
こちら、世阿弥が少年のころから物語がスタート。人の身体は舞うための形ではない、舞など見て何が楽しいのかと、芸事に不信感を持つ少年が、ある日ある女人の舞う姿を見て、「よい」と感じ、その「よい」理由を探す物語のようで、今後の展開に期待が持てます。
連載が続きそうなので、楽しみですね!
いかがでしたか?
世阿弥このまま人気が出て、大河ドラマとはいかないまでも正月ドラマぐらいになったらいいなーと思うメガネがお届けしました。