メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

「ヤマトタケル」「ちごいま」「玉水物語」…学生時代に知りたかった、古典に見る! 女装男子ランキング!

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こんにちは、どちらかというとスカートよりパンツ姿派の、アラフォーOL・メガネです。

世の中、テレビの中でも女装男子が出てくる昨今。メジャーになってきたのか女装男子。目の保養だ、女装男子

ところで、女装男子っていつの時代からいたんだろう…? という好奇心を満たすべくググッて(死語)みました。

突然ですが、古典女装男子ランキング! お付き合い下さい。

1位「ヤマトタケル」『古事記日本書紀
はい。皆さんご存知の。神話系スマホゲームのキャラでよく見る彼です(本当に最近いろんなところで見かけます)。
父に疎まれ、熊襲征討を命じられ(事実上の放逐ではなかろうか...)、無事 熊襲征討を実現するも、さらに父に疎まれ、今度は東国征討へ。東国征討中に、恋人なくしたり、すったもんだあった挙句、亡くなり、最後白鳥になったとされる、ヤマトタケルさんです(メガネ的ざっくばらんまとめ)。
日本最古の女装男子なんですが、その理由がすごい。
熊襲征討時、クマソ( 熊襲 )タケルに近づくための女装。変装の一種だったんですね。女装での接近は見事功を奏し、クマソタケルを打ち滅ぼしました。その時、クマソタケルに命名されて、ヤマトタケルを名乗るように。
近藤ようこ先生の『恋スル古事記』や山岸涼子先生の『ヤマトタケル』がわかりやすくておすすめです。

2位「稚児」『稚児今参物語絵巻(ちごいま)』
室町時代女装男子のお話。
比叡山の僧侶の稚児だった主人公が、病の祈祷のために訪れた内大臣家の姫君に一目惚れてしまい、恋煩いで息も絶え絶えになったため、乳母のすすめで、なんと姫の女房(側仕え)に扮して(女装して)、お屋敷にもぐりこみ、姫と恋仲に。
その後結ばれ、すったもんだあって、子どもも生まれ、大団円を迎えるのですが(天狗のお母さんがかわいそうですが)、こんなぶっ飛んだライトノベルかと突っ込みたくなるお話が室町時代に成立していたことにびっくりです。
というか、学生時代に知りたかった…。

3位「玉水」『玉水物語』
2019年センター試験の古文に出て話題となった作品。
ちごいまの主人公は人間ですが、玉水物語の主人公は、狐。作中に、性別の記述はありませんが、オスだろうと解釈されています(ネットでは百合小説だと話題でしたがこの記事の趣旨が女装男子なので、狐=雄説をとります)。
花園に遊びに来た姫君を見染めた狐が、姫の側に行きたくて娘に化け、人間の養女となり、姫の側仕えに。
姫に気に入られ、玉水という名をもらい、姫のために尽くし、功を立てながら、最後は身を引く、ちょっぴりせつないお話です。
なにこれ、やっぱり学生時代に知りたかった…。そして、センター試験の古文でこんなエモい話に出会いたかった…。

というわけで、女装男子は昨今のブームでなく、長い歴史あり! ということがわかりました。いやー深いですね。室町時代ライトノベルみたいな話が普通に成立していたことに驚きを隠せません。古典侮りがたし。
 
なお、各物語はとても面白いので、おすすめです。現代語訳や、解説付きの本も出ているので、古典入門にもいいのではないでしょうか。

3作読み終えて、たまには女装するか(女ですけど)と思わんでもない、メガネがお届けしました。