メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

文学フリマ東京38 ブースはくー11です。綿貫六助本と軍隊男色小説出します

こんにちは。メガネです。
口唇ヘルペス放置していたら、どんどん体調不良になって
ようやく塗り薬を塗り始めました。軽い症状でも放置はよくないですね。

さて、2024年5月19日(日)文学フリマ東京38の
https://bunfree.net/event/tokyo38/
ブースが決まりました。
く-11です。
東京流通センター 第二展示場の1階になります。

今までは、男色について調べた「季刊男色」シリーズを持って行っていましたが、
今回は、BL小説ブースらしく、軍隊男色小説と
老人性愛小説をテーマにした本を持っていきます。
(しかしジャンル偏りすぎやで。)

老人性愛小説は、『綿貫六助作品集』。
大正・昭和に活躍し、当時変態性欲と本当に言われていた我らが綿貫六助の
デビュー作(日露戦争時のロシヤ兵捕虜と日本兵の軍ソドです)や、
国立国会図書館で読めない(現時点で)小説などを集めたものになります。
初売は、前回参加した文学フリマ京都8なので、既刊ですが
東京では初売りなので、興味ある方、見に来てください。

今回の目玉というか、どうしても形にしたかった本が、
軍隊の男色をテーマに、ゲイ雑誌『薔薇族』『さぶ』で1970年代に連載された
花田勇三氏の『炎と煙』です。
こちらは連作短編集で、量が多いため『炎と煙 薔薇族編』『炎と煙 さぶ編』に分かれていますが、2冊でコンプリート本です。
1950年代から、会員制ゲイ雑誌や性風俗雑誌、その後のゲイ雑誌などに
軍隊の男色を扱った作品が見られるようになるのですが、
作品を共有するためには、著作権の壁があります。
著作権が切れてないうえに、作者(もしくは著作権権利者)まで
たどり着くのが困難なため、人とシェアするために書籍化するにしても
ハードルが高いです。
でも、いい作品は共有したいじゃないですか。
教えたいし、読んでほしい。
で、『炎と煙』シリーズに関しては、文化庁著作権の裁定制度を利用して、
出版することにしました。地味にいろいろ大変でした。

『炎と煙』に関しては、下記に書いたので、
https://note.com/todoroki_megane/n/n48027617da1a
くわしくはそちらをご覧ください。

5月19日の文学フリマ東京38、
『綿貫六助作品集』『炎と煙 薔薇族編』『炎と煙 さぶ編』
持参しますので、お気軽にお立ち寄りください。
なお、諸事情で、15時前には撤収しますので。
はい。

(noteと同じ内容です)

林月光氏官能小説挿絵リスト(ヤフオクから)

ふと、ヤフオクで、林月光氏の名前調べたら、SM雑誌がたくさん出てきたので、
雑誌名と記事名控えてたら結構な量になりました。

その供養です。
しかして、SM雑誌の小説のタイトル、雅なものが多くて言葉遣いに感心します。

 

雑誌名 巻号 記事名 発行年
SM fan(ファン) 1972年12月号 パパ・トルコ  1972
SM fan(ファン) 1972年12月号 黒バラ夫人絵図 1972
SM fan(ファン) 1982年4月号 美蕾調教師 1982
SMコレクター 1973年1月号 淫らな鎮魂歌 1973
SMコレクター 1976年1月号 さすらい怨歌 1976
SMセレクト 1972年12月号 淫鳥が啼いた 1972
SMセレクト 1973年10月号 愛奴のいる街 1973
SMセレクト 1973年4月号 羞しい子爵夫人 1973
SMセレクト 1973年3月号 母娘海棠 1973
SMセレクト 1974年12月号 白蝋裸女 1974
SMセレクト 1976年3月号 牝犬狩り 1976
SMセレクト 1989年1月号 凌辱願望 1989
SMファン 1976年5月号 蠱惑の指が踊る 1976
SMファン 1977年4月号 禁断の欲望 1977
SMファンfan 1982年11月号 隷花に妖かしの輪涙を 1982
SMフロンティア 1975年12月号 汚れちまった哀しみ 1975
SMフロンティア 1979年8月号 奴隷花哀歌 1979
SMマニア 1989年5月号 美童艶色に染まりて 1989
SMマニア 1989年1月号 恍惚痴獄譚 1989
SMマニア 1989年9月号 しなやかな性獣たち 1989
SMマニア 1989年8月号 魔淫の連環 1989
SMマニア 1990年7月号 華麗な遊姦 1990
SMマニア 1991年7月号 痴人の密戯 1991
SMマニア 1993年3月号 妖かしの絆 1993
SMマニア 1994年12月号 スレーブハンター 1994
SMマニア 1994年11月号 聖厠洗礼 1994
SMマニア 1994年5月号 折伏神水 1994
SMマニア 1994年1月号 蜜液狂おしく 1994
SMマニア 1995年11月号 未亡人墜落行 1995
SMマニア 1997年2月号  瑠美夫人飼育手帖 1997
SMマニア 1998年7月号 恥水の夜想曲 1998
SMマニア 2002年3月号 烈縄に咽ぶ日々 2002
SMマニア 2003年1月号 失禁アイドル開眼 2003
SM奇譚 1975年1月号 孤愁の淫 1975
SM奇譚 1976年1月号 残酷な遊戯 1976
SM秘小説 1980年6月号 肛虐流転抄 1980
SM秘小説 1994年5月号 倒錯の肉闘劇 1994
SM秘小説 1994年11月号 恥肉は鈴鳴りに燃えて 1994
SM秘小説 1996年6月号 売られる肉唇の嗚咽 1996
SM秘密倶楽部9   聖母の晩餐  
小説SMセレクト 1974年6月増刊号 痴女変化 1974
小説SMセレクト 1974年8月号  恥ずかしき恥辱花 1974

軍隊ソドミア小説文献書誌のようなもの①カストリ雑誌編

色々難航してますが、まとめられたら冊子にしたい。

 

「軍服の男娼たち」  真相実話  1949年5月号  1949  真相実話社  平野斗史
「男色部隊」  怪奇雑誌  1951年10月号  1951  創文社  諸井紋多
「二人の男に惚れられた男娼」  奇抜探求  1952年8月号  1952  不明  赤坂慧
「兵隊を淫殺する兵隊」  怪奇雑誌  1952年8月号  1952  創文社  赤坂慧
「陸軍中尉時代の回想」  奇譚クラブ  昭和27年8月号  1952  曙書房・天星社・暁出版  森井晃
「特集・囚獄の記録 男色榮倉」  風俗草紙  1巻5号  1953  日本特集出版社  松尾亮
「大阪陸軍幼年学校」  奇譚クラブ  昭和28年10月号  1953  曙書房・天星社・暁出版  白石悠
「我が軍隊時代の懐古」  奇譚クラブ  昭和28年3月号  1953  曙書房・天星社・暁出版  森原太一
「男色閑談」  風俗科学  創刊号 第1巻第1号』1953年8月  1953  第三文庫  宮園三四郎
「或る同性愛者の告白」  奇譚クラブ  昭和29年4月号  1954  曙書房・天星社・暁出版  小田雅春
「稚児兵士幹部候補生」  奇譚クラブ  昭和29年6月号  1954  曙書房・天星社・暁出版  龍田信二
「男色遍歴」  風俗クラブ  第1巻第2号 1954年5月  1954  春光社  近藤恭
「秘虐」  奇譚クラブ  昭和30年1月号  1955  曙書房・天星社・暁出版  青葉槙一
「マゾヒストとしての二等兵時代の思い出」  奇譚クラブ  昭和31年8月号  1956  曙書房・天星社・暁出版  才 昭吾
「紅蓮」  奇譚クラブ  昭和31年9月号  1956  曙書房・天星社・暁出版  青葉槙一
「帝国海軍の私刑 -私の体験-」  奇譚クラブ  昭和32年12月号  1957  曙書房・天星社・暁出版  香川章二
「体験談 水平生活と褌」  奇譚クラブ  昭和32年9月号  1957  曙書房・天星社・暁出版  内田武男
「告白小説 屈辱の砂」  奇譚クラブ  昭和33年8月号  1958  曙書房・天星社・暁出版  槙村奏
「ニュース小説 復員船 辰×丸事件」  奇譚クラブ  昭和33年9月号  1958  曙書房・天星社・暁出版  槙村奏
「創作 従卒」  奇譚クラブ  昭和34年1月号  1959  曙書房・天星社・暁出版  菅良太
「法衣と軍服」  奇譚クラブ  昭和34年2月号  1959  曙書房・天星社・暁出版  槙村奏
「体験記 逃亡徴用工」  奇譚クラブ  昭和34年3月号  1959  曙書房・天星社・暁出版  真金鍛次郎 
「回想録 縄のない緊縛」  奇譚クラブ  昭和35年7月号  1960  曙書房・天星社・暁出版  菅良太
「グンタイ・はだか・ふんどし」  奇譚クラブ   昭和36年5月号  1961  曙書房・天星社・暁出版  内田武男

軍隊ソドミア文献書誌をつくろうとして

最近鬱気味で、やりたいことも見つからず、もやっとしていたんですが、(その過程で団鬼六花と蛇』に手を出して大変なことになった)ふと、今持ってる、軍隊ソドミア小説資料を岩田準一氏の『男色文献書誌』よろしく、『軍隊ソドミア文献書誌』としてまとめたらいいのでは? となり、まとめていたら結構楽しく、何とか本にできたらいいなと思います。

 

今までの調査対象が、『さぶ』『薔薇族』とまりだったんですが(林月光調べで見つけていた)、『アドン』や『月刊サムソン』にも軍隊ソドミア小説が載っていると教えてもらい、調べたいんですが、『アドン』は国立国会図書館が持っているにしろ、『月刊サムソン』は国立国会図書館が3冊しか持ってない。なぜ? しらべたらどこかの自治体で有害図書認定されたからかもしれない…。あああ。


で、現物がないんですが、まんだらけ通販で過去販売されたゲイ雑誌の目次をひたすら見ていくという作業をしていまして、確かに『月刊サムソン』に軍隊とうたったゲイ小説掲載されているみたいです。1990年代まで載ってるのは少し驚きました。
しかして現物がないですよ。しょんぼりだよ。