メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。

稚児の日常について

稚児のに日常について、調べていて自分の中で決着ついたんですが、調べる過程で、秋夜長物語などの稚児と僧侶の恋物語でなく、普通に稚児を扱った説話を見つけたのでご紹介しときます。

 

 

どちらも江戸時代に成立した説話集です。
行儀見習いで寺に上がった稚児の話だろうな、と思うのは、稚児の説話で食べ物の話が多いからです。

確かに無料で文字描きいろいろ習うために寺に上がる稚児たちですが、食べ物をいっぱい食べられたら…みたいな話が多いので、食糧事情は困窮していたのかもしれません。まぁ、寺は精進料理ですので、育ちもりの子供にはつらかったのかも。

食べ物の話がほのぼのしているので、そちらに注目していましたが、もちろん男色の話もあり、処女(?)の稚児が行きずりの僧侶に性交渉される話もあります。両親はそれを見て見ぬふりしているんですが、どんな時代背景だ…。と思わなくはないです。

 

稚児の話だけでなく、若衆の話もあるので、興味がある方はちょっとお高いですが、読んでみると楽しいかもしれません(図書館で借りるのもありかと)。

元禄褌考について

大竹直子先生が以前呟いていた、さぶ 1975年8月号に掲載された麻耶純夫の「元禄褌考」についての備忘録を載せておく。

 

なおこの作品は現在書籍化しておらず(していたら教えて下さい)、上記のさぶを入手するしか読むすべがない。国立国会図書館に該当資料があるので遠隔複写は可能。

 

俺は褌である。名前はない。当たり前である。いくら元禄太平の世とはいえ、いちいち褌に名前をつけるほどの暇人はいまい。
 色は白。
 生地は木綿。
 長さは六尺。…

とあるように、主人公は褌である。
まず、無機物を主人公に仕立て上げたのに驚く。
褌は、さる大名の足軽七之助・23歳の下着である。
その褌を、フェチのみなさんが嗅ぎに来る(!?)。

ある祭りのときも、七之助は褌をしめていた。
その祭りの興奮の最中、七之助が主君の若君が好きであることが発覚。

祭りののち、若君から、汚い褌選手権が開催される。
褌を一切洗わず、汚して優勝する七之助はとうとう若君と契る中に。
汚い褌に執着した若君は、褌を七之助からもらい受ける。
褌は、持ち主を若君に変わる(そしてどんどん汚れていく)。

京の都で、全国的な規模の褌競いが行われる。
友禅の褌をつける人がいる中で、
若君は真っ黒に染まった褌を身に着け、異様な雰囲気なんだけれど、なんだか妖しくて美しい。
そして、褌競いで、若君が優勝しました

 

という話です。

サラッとあらすじかきましたけど、読むとすごいうなります。あとドエロです。
褌が主役でこうも濃いゲイ小説が紡げるのか…!? と感嘆します。

どこかで書籍化すればいいのになーと思いますが、
さぶを発行していたサン出版も今はなく、麻耶先生も正体が謎なので、
難しそうです。
面白いのに。

 

改めて、雑誌に載った小説が本になれるのはすごいことだと思いました。はい。

夏目漱石・坊っちゃんは男色だった!? 石原豪人氏の読み込みが面白い「謎とき・坊っちゃん」を読む その2

 

こんにちは。メガネです。夏から『季刊男色』という冊子を編んでいましたが、3冊目の「稚児の生態」で一度休憩し、ブログの更新も頑張っていこうと思います。

さて、私はイラストレーターの石原豪人氏が好きなのですが、絵だけでなく文章や発想も大好きです。
前回ブログで石原豪人氏の男色視点の坊ちゃんを紹介しましたが、今日はその続きです。

 

todoroki-megane.hatenablog.com

赤シャツに坊ちゃんが一目ぼれ?

石原豪人氏によれば、赤いシャツはホモの方が着るやつだそうです(令和は知りません)。また、他のキャラに比べて、赤シャツの描写が多いのは坊ちゃんが赤シャツに惚れてしまったから、という好きな人には言葉数多くなるオタクみたいなこと書いてる…、とほほえましくなりました。

 

最初の下宿は愛の場所

坊ちゃんが山嵐に紹介されて下宿にした「いか銀」。そこはやおいの香りする(表現が古い)ホモ宿だったとバッサリ描き切る石原氏がすごいと思います。
いか銀の亭主はホモを見抜く慧眼の持ち主で、奥さんはウィッチと坊ちゃんは思い、そこから女形だったに違いないと、推測。
いか銀は骨董屋なので、亭主が坊ちゃんに骨董をすすめてきますが、この骨董も、衆道の誘いだったという見方をされ、もう何信じたらいいかわからないです、石原先生。


ここまで読んで、おなか一杯になってきたので、あったら次回に続きます。
誰かこの本読んで、語ってほしい…。

鬼夜叉君(のちの世阿弥)の成長がまぶしい『ワールドイズダンシング1巻』感想

稚児についての調査が小休止しているメガネです。
さて、中世の文化に今ずぶずぶなんですが、そのきっかけを作ったのが「能」のあらすじを調べることでした。

で、「能」について調べるうちに、観阿弥世阿弥に必ずたどり着くわけですしかも世阿弥足利義満の寵愛を受けていたとなると、まー、がぜん調べたくなるというか。
世阿弥に関して、雨瀬シオリ先生が短編「ぜあ」を描いていたり、杉本苑子先生の『華の碑文』を読みました。このラインナップに

講談社のモーニングで連載中の『ワールドイズダンシング』が加わります。

 

あらすじは

シェークスピアより昔に世阿弥がいた。「わびさび」の走り、世阿弥がいた。庶民の代表者である芸能者が、国を、社会を変える! 世阿弥こと鬼夜叉は、父親・観阿弥の命令でとりあえず舞っている美少年。観阿弥が頭をつとめる人気の一座・観世座に所属しているが、何故舞う必要があるのか常に疑問に思っている。そんななか、ある小屋で、貧弱な体と枯れた声、下手な動きで舞う女を見かけた。いいはずないのに、その姿に鬼夜叉は「よさ」を強く感じたのであった…。「身体」を武器にした中世ダンスレボリューション、開幕!!

講談社サイトより

 

この物語の主人公鬼夜叉君は、どこか抜けていて、一見、能の大成者となるようには見受けられません。
ただ、元白拍子の女性、謎の農家の?青年、商人の女の子と出会ううちに、踊りとは何か、能とは、幽玄とは、と着実にステップアップしていきます。

成長していく姿がまぶしいです。
1巻最後のほうでは、鬼夜叉の運命を決める義満もちゃっかり出てきて、2巻以降どうなっていくのか楽しみです。

(と思っていたら、すぐ2巻でそうで嬉しいです)

 

 

行儀見習いの稚児について

貴族などの上稚児、行儀見習いの中稚児、人さらいから寺に売られた下稚児のソースが見つからなくて悶々としていたんですが、上中下のソースはわからないまでも、
行儀見習いの稚児以下が、僧侶の性的対象になって居たっぽい記述を
『日本における男色の研究』

からみつけました。

この本、本当にいろいろ網羅していて読んでいて面白いです
古本でしか入手できないのがネックですね。

 

軍隊と男色がkindle化していた…

どうも、メガネです。
稚児の生活について調べているんですが、資料がそもそも和本の現代語訳から! とハードルが爆上がりです。なので、9月は資料収集期間にしようと思います。まとまるのは冬でしょうか。先が長いですが、自分なりのゴール見つけたいです。はい。

 

話がかわりますが、
昔大竹直子先生が甲先生などと編まれた、「軍隊と男色」という同人誌がありましてですね、
そこで取り上げられた、戦後に本当にあったカストリ紙からの紹介「ソドミア通信」(タイトルのソドミアは、旧約聖書のソドムとゴモラの街からでしょうか。同性愛の所為で神様に滅ぼされたことで知られています)が。昭和の軍隊で起こった男色iroiroが赤裸々につづられているんですけれど(戦争中もあれば、戦後の内容もある)、まー、もー、現実は小説より奇なりでして。
これを読んでから、BLの世界がかすんでしまい、私のBL世界からの卒業を促した、(私の中の)話題作でもあります(まだ卒業していないですが)。
で、今日、なんとなく思いだして、何となく検索かけたら、kindle化しておりました。

 

よかったら、読んでみてください。