メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

綿貫六助「小松林⑤」『霊肉を凝視めて』より

五 哲二が凋れかへつて家にはいつてゆくと、もう酒の支度ができてゐた。 海の水ですつきりとした氣持になつてみると、あだつほいおたつよりも、ぎごちない倉吉爺の顏の方が やつばり哲二の氣に入つてゐるのであつた。お人好の爺に對して、しやあら/\として…

綿貫六助「小松林④」『霊肉を凝視めて』より 

四 障子の外から女同志の話聲がきこえた。哲二がねがへりを打ちながらきいてると 何でも、本家から女がきて、おたつと朝のお膳立てについて何かしやべつてるらしい。 哲二は、酒のほとぼりであつくなつてる身内から、おさへ切れないやうな力が むくむくと 湧…

サンタそどみあ

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ノルウェーの郵便局が作ったサンタそどみあに朝からきゅんとしました youtu.be サンタは妖精なので、キスを受けて実体化したという説を鰤臼さんが考えてくださり、なるほどーと。 実体化した後は、サンタおじいさんを受け入れて暮らしたらいいなと思いました…

稚児関係メモ

今東光に物申す 辻晶子 辻晶子「今東光『稚児』と『弘児聖教秘伝私』」『叙説』38 (2011) CiNii 論文 - 今東光『稚児』と『弘児聖教秘伝私』 同「『弘児聖教秘伝私』再考」『中世文学』58(0) (2013) CiNii 論文 - 『弘児聖教秘伝私』再考 僧侶とはどういう存…

女装交流誌 QUEENから林月光の挿絵

もはや女性にしか見えないんですが、みんな男の娘なんですよね…。 夢化粧(31号)飛鳥翔 玉三郎より人気な女形と男の娘をオンナにするお話 この文字をクリックして、画像を見る 国立国会図書館蔵 出藍の男華(38号)中田道元 屈折した幸福でおなじみ、中田先…

私が男色文化にハマる10の理由

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はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」 こんにちは。メガネです。はてなブログ10周年特別お題に乗っかって、記事を書いてみようと思います。テーマは「私が男色文化にハマる10の理由」です。 ①BLと距離ができた。 中学の時から腐女子で、社…

永遠がそこにあった

思春期にありがちな永遠を夢想するという行為は、22歳の時、永遠を生きると誓った最愛の人があっけなく死んだことにより、命題へと変化した。 いわく、永遠に続く愛はあるのか。永遠とは何か。 生きる過程において、永遠に続くものなどないという答えを得て…

季刊男色 近代文豪耽美小説

はじめに 学生の頃、大っぴらに読める(当時の耽美小説は隠れてこっそり読むのが主流であった)太宰治や江戸川乱歩の同性愛を扱った作品が好きだった。 大人になって、文豪の耽美小説に接する機会があり、年のせいか、読んだ端から忘れそうになるので、自分…

滝沢美女夜(栗本薫)JUNE1982年3月号「無明心中」石原豪人挿絵

滝沢美女夜(栗本薫)JUNE1982年3月号「無明心中」石原豪人挿絵です

ヴァニラ画廊さん、林月光/石原豪人展が2022年1月28日〜2月17日に開催決定!

ヴァニラ画廊さんから、告知が出たので、やっほーい! と喜んでおります~ 【✨展示情報公開✨】林月光/石原豪人展 Homme Fatales'22/1/28〜2/17ヴァニラ画廊(@vanilla_gallery )ゲイ雑誌「さぶ」、耽美雑誌「JUNE」等で洗練された美しさを湛えた男性像を描い…

神谷敬里(栗本薫)JUNE1984年1月号「ある同性愛者の告白」石原豪人挿絵

神谷敬里(栗本薫)JUNE1984年1月号「ある同性愛者の告白」石原豪人挿絵です

JUNE 神谷敬里(栗本薫)「稚児」 石原豪人氏による挿絵

JUNE 神谷敬里(栗本薫)「稚児」 石原豪人氏による挿絵です。まとめて3号分どうぞ。(しかし鷹彦さんの設定は何なのだ…魔王か)

神谷敬理「稚児」 JUNE1979年6月号 石原豪人挿絵

神谷敬理「稚児」 JUNE1979年6月号 石原豪人挿絵です なお、掲載小説は以下の電子書籍で読めます(挿絵はないかな…) 栗本薫・中島梓傑作電子全集12 [終わりのないラブソング II] 作者:栗本薫,中島梓 小学館 Amazon

神谷敬理「稚児」 JUNE1979年5月号 石原豪人挿絵

神谷敬理「稚児」 JUNE1979年5月号 石原豪人挿絵です なお、掲載小説は以下の電子書籍で読めます(挿絵はないかな…) 栗本薫・中島梓傑作電子全集12 [終わりのないラブソング II] 作者:栗本薫,中島梓 小学館 Amazon

神谷敬里「松虫」 JUNE 1979年8月号 石原豪人 挿絵

神谷敬里「松虫」 JUNE 1979年8月号 石原豪人 挿絵です なお、掲載小説は以下の電子書籍で読めます(挿絵はないかな…) 栗本薫・中島梓傑作電子全集12 [終わりのないラブソング II] 作者:栗本薫,中島梓 小学館 Amazon

季刊男色 能

はじめに 初めて能の物語が美しいと思ったのは、能「松虫」を引用した小説『夜の声 冥々たり/鷹守諌也/新書館ディアプラス文庫』を読んだ時だ。彼岸の青年に思いを寄せ、此岸を捨ててしまう青年の物語で、その物語の静かな美しさがとても魅力的な作品だった…

中田道元「屈折した幸福」覚書

林月光の絵の収集で、たくさんの女装男子絵を見せてくれた中田道元「屈折した幸福」に少し触れておきます。掲載誌は、アント商事の女装交流誌 くいーん(Queen)通号 48号 (1988.6)~通号 61号(1990.8)。すでに休刊となっていて、入手は結構困難です。国…

綿貫六助「小松林③」『霊肉を凝視めて』より 

三 茶屋の世話やきで疲れたおたつと、船から歸つてきた倉吉が、本家のどさくさしてゐる孫子から離れて、二人でゆつくり骨を休める所が、この林の家なのである。 それは、小さなかやぶきのまツ四角な平屋であつた。小松の繁つてゐる小高い岡の上にあるので松…

中田道元「屈折した幸福」の林月光の描く女装男子

女装交流誌QUEENに連載された中田道元「屈折した幸福」の挿絵が、林月光氏で、なんとも官能的な女装男子を描いていらっしゃるので、ツイッターにも上げましたが備忘録的に載せます。ありがとう国立国会図書館様(かなり官能的な絵が多いので、トリミングして…

綿貫六助「小松林②」『霊肉を凝視めて』より 

ニ 夕暗のなかをたどつてきた哲二の眼には、吊り洋燈の黃色い光が、軒に斜に立て掛けてあるよしずのわきから、まばゆくばつとさしてきた。と、倉吉のなつかしい橫顏が、くつきりと彼の眼に映つた。彼は、店には入るのをことさらためらつてゐた。悅しさに踊る…