メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

永遠がそこにあった

思春期にありがちな永遠を夢想するという行為は、22歳の時、永遠を生きると誓った最愛の人があっけなく死んだことにより、命題へと変化した。

いわく、永遠に続く愛はあるのか。永遠とは何か。

生きる過程において、永遠に続くものなどないという答えを得て、失望しながらそれを受け入れたが、一度だけ、永遠になろうと思い、当時永遠を象徴する彼を好きになり、彼を模すように、2週間だけ髪を赤く染めたことがある。
写真も残っていないので、もはや幻といっても過言ではないのだが、髪を染めていた2週間、私は永遠に酔っていた。それだけは事実だ。
赤い髪の彼は、「お伽草子」というアニメのキャラクターで、名を万歳楽といった。
長らく忘れていたのだが、2021年に出版された山本タカト氏の新画集「ジャポネステティーク」にアニメ「お伽草子」の小説版の表紙を飾った主人公・源光(ミナモトノヒカル/男装のヒロイン)が掲載された。
懐かしさで心が揺らいだ。実は、「お伽草子」の小説版は、真ん中を境に内容が変わり、途中から本文が逆さに印刷され、表表紙と裏表紙も陰陽のように逆さで掲載されていたのだ。そうなると、どちらも表でどちらも裏だったのかもしれない(ただややこしいので、源光版を表表紙と呼ぶ)。
その、表表紙に源光が、裏表紙に万歳楽を中心に五行にのっとって、源光と四天王が描かれていた。
残念ながら山本タカト氏の新画集「ジャポネステティーク」に裏表紙の絵は収録されなかったが、その後の展覧会で、その絵を拝見する機会を得た。
私が焦がれた永遠がそこにあった。
拝見できてよかった。