近代文学BL
男同士の恋か愛か執着か妄念か。それとも稚い心の萌芽か。BLという言葉が生まれる以前の、やおいや耽美JUNEよりもっと古く、それでいて男色や衆道という言葉では覆い切れない男同士の関係を描いた明治大正昭和初期のそれらの作品群「給仕の室: 日本近代プレB…
こんにちは、メガネです。 通勤時間はソドミア小説かスマホが友達なんですがアマゾンで何気なく「給仕の室 日本近代プレBL短篇選」探したら書影が出てる! 手前が給仕の室の主人公で、奥が鈍太でしょうか。妄想捗ります。 アンソロジーということで、 秋田…
ちょっとつかれて鍵垢になるか―と思っていたら、なるみさんの魂の叫びのようなつぶやきに、すべてが吹っ飛びました。 あああーー!!「給仕の室」がとうとう文庫にーーー!!!この時を待っていたぁぁ!! https://t.co/W8aRZkNvgV — なるみ (@naruminarumia…
こんにちは。メガネです。丹尾安典先生の男色の景色を拝読しまして(なるみさんおすすめありがとうございます)井伏鱒二が、友人青木南八とちょっと濃い友情を築いていたエピソードが記載されていました。 ……私は下宿にゐて朝寝ばかりするやうになつてしまつ…
こんにちは、メガネです。気が付いたら2月が終わりそうです。本当に今年に入ってから何もできていない…。先週余裕が少しできたので、なるみさんのブログ naruminarum.hatenablog.com で興味を持った榊山保(三島由紀夫)「愛の処刑」の載った三島由紀夫の全…
こんにちは、メガネです。1月から仕事が変わり、調べ物をする余裕がナッシング。スマホを眺めているのが精いっぱいという、メガネ人生史上一番生産的でない時間を過ごしています。通勤時間に萌えの神様降りてこないなんて、びっくりだよ。 で、今日は眺める…
はじめに 学生の頃、大っぴらに読める(当時の耽美小説は隠れてこっそり読むのが主流であった)太宰治や江戸川乱歩の同性愛を扱った作品が好きだった。 大人になって、文豪の耽美小説に接する機会があり、年のせいか、読んだ端から忘れそうになるので、自分…
三 茶屋の世話やきで疲れたおたつと、船から歸つてきた倉吉が、本家のどさくさしてゐる孫子から離れて、二人でゆつくり骨を休める所が、この林の家なのである。 それは、小さなかやぶきのまツ四角な平屋であつた。小松の繁つてゐる小高い岡の上にあるので松…
ニ 夕暗のなかをたどつてきた哲二の眼には、吊り洋燈の黃色い光が、軒に斜に立て掛けてあるよしずのわきから、まばゆくばつとさしてきた。と、倉吉のなつかしい橫顏が、くつきりと彼の眼に映つた。彼は、店には入るのをことさらためらつてゐた。悅しさに踊る…
この一篇を私の最愛なる老漁夫の靈前に捧げる。 一 哲二は、變人なので、將校仲間からも組外れにされてゐた。 日曜や祭日には、ほかの將校たちは、上官を訪問したり、倶樂部や集會所あたりで、酒を飲んだり、玉突きなどをしているのであるが、哲二は同瞭など…
どうも、メガネです。稚児の調査をあらかた終えたので、今は近代小説の中にBL(ゲイ)作品がないか探しているところです。ツイッターでなるみさんなどと知り合い(なるみさんは川端康成の「少年」についての考察が深く、興味深いブログ記事をたくさん書いてお…
こんにちは。メガネです。夏から『季刊男色』という冊子を編んでいましたが、3冊目の「稚児の生態」で一度休憩し、ブログの更新も頑張っていこうと思います。 さて、私はイラストレーターの石原豪人氏が好きなのですが、絵だけでなく文章や発想も大好きです…
お久しぶりですメガネです。ブログの更新があいてしまい、楽しみにしていた方がもしいらっしゃいましたら申し訳ありません。 さて、このブログではもはやおなじみ、林月光こと石原豪人先生が書いた夏目漱石の坊っちゃんは実はホモ小説だった! という本を読…
暑中お見舞い申し上げます。メガネです。最近は『季刊 男色』「テーマ:能」や、春画の本を作ったりしてました。お申込みいただいた方には8月お届け予定です。きちんと作れているといいなぁ。さて、萩尾望都先生に影響を与えた映画『寄宿舎~悲しみの天使』…
こんにちは。メガネです。以前、芥川龍之介のSODOMYの発達(仮)を紹介しましたが、情報源の清家雪子先生の漫画『月に吠えたンねえ1巻』にはほかの近代文豪ブロマンスも紹介されていてですね、そのうちの一つが日下諗「給仕の室」です。 月に吠えたンねえ(…
近代文学にひっそり潜む男色。 先日読んだ、清家雪子先生の漫画『月に吠えたンねえ(1)』のなかで、近代文芸の男色文化の説明があり、その中で紹介されていたのが、芥川龍之介の『SODOMYの発達(仮)』です。 かなり直球な作品で、性的行為や身体描写がロー…
高校の、部活動から卒業する先輩の、ホワイトボードへ書かれた最後のメッセージが、「夏目漱石の『こころ』は邪推して読め!」だったことが強烈に記憶に残っているメガネです。 その後、先生とKの関係をどう邪推するか、友人と盛り上がったことも思い出しま…