メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

2021-11-28から1日間の記事一覧

綿貫六助「小松林⑤」『霊肉を凝視めて』より

五 哲二が凋れかへつて家にはいつてゆくと、もう酒の支度ができてゐた。 海の水ですつきりとした氣持になつてみると、あだつほいおたつよりも、ぎごちない倉吉爺の顏の方が やつばり哲二の氣に入つてゐるのであつた。お人好の爺に對して、しやあら/\として…

綿貫六助「小松林④」『霊肉を凝視めて』より 

四 障子の外から女同志の話聲がきこえた。哲二がねがへりを打ちながらきいてると 何でも、本家から女がきて、おたつと朝のお膳立てについて何かしやべつてるらしい。 哲二は、酒のほとぼりであつくなつてる身内から、おさへ切れないやうな力が むくむくと 湧…