メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

平賀源内の男色小説『根無草/根南志具佐』の現代語訳を見つけた話

こんにちは。メガネです。
1月から職場が変わり、神経を仕事に集中させていたら創作や調べ物ができず、安易にゲイ雑誌収集に走っていましたが、いかんせんゲイ雑誌、私に刺激が強すぎました。
ので、ちょっとお休みと江戸の男色を調べることに。


Wikipediaで日本の同性愛についてみていたら、平賀源内も男色小説を書いていたらしく、『菊の園』『男色細見』(1775年)などの陰間茶屋案内書や、『根無草/根南志具佐』(閻魔大王を美少年愛好家として描く)や『乱菊穴捜』という作品があるそうです。
閻魔大王を美少年愛好家として描く、というのにキャーッとなり、ネットで調べたらなんと現代語訳をのせているサイトが。
株式会社 材木座書房というところです。いやー、ありがたいですね。

 

で『根無草/根南志具佐』です。下記から読めます。

zaimokuza-shobo.jp

 

ことのはじまりは、地獄にやってきた死人が持っていた瀬川菊之丞という歌舞伎若衆の絵姿。

その姿に一目ぼれした閻魔大王が権力という権力を使い、龍王にその若衆を地獄に連れて来いと命じます。困った龍王。すったもんだの会議の果てに河童がさらってくると名乗りを上げます。

菊之丞の先輩で歌舞伎女形荻野八重桐に菊之丞が川遊び(舟遊び)に誘われたある日、風流な若侍と出会い契ります。しかしてその侍の正体は龍王の密命を受けた河童でした。河童は菊之丞に惚れてしまい、地獄へ連れていくのを嫌がり自死しようとしますが、それなら菊之丞が地獄へ行くともみ合いに。
その二人の話を聞いていた八重桐が自分が菊之丞を死なすのは忍びない。代わりに自身が地獄へ行って閻魔大王をだまして見せると、ドボンと川に飛び込む。というお話。

 

荻野八重桐隅田川で舟遊び中に溺死したという事件をもとに平賀源内が創作した小説です。一気に読めます。閻魔大王龍王の下りは社会風刺(幕府批判)になっているところも興味深いです。

 

何処にも本が見当たらないのですが、狐の化身の絶世の美少年と夢のような日々を過ごす夢の話『乱菊穴捜』が読みたいです。はい。