メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

石西武雄「ノガミ物語」あらすじのようなもの

主人公・草間はソドミアであることを自覚し、それが花開いたのは大学の先輩・佐山と恋仲になったからだった。が、佐山は戦死する。
戦後、上野をさまよう草間は、警察官・宮木に補導されるが、画家志望で樺島画伯を訪ねたいと告白すると一夜の安全な宿を紹介される。その後も何かと宮木は便宜を図ってくれる。宮木は佐山を彷彿とさせた。
画家の家に住み込みで入るが、画家の妻にオカマ扱いされ、居づらくなった草間は画家の家を出て、新聞売りを始める。
奇怪な仲間と共同生活をしながら新聞を売る草間は、田舎から会いに来た兄に絶縁状態に。
少し仕事が軌道に乗り始めたころ、戦時中同じ工場で働いたソドミア同志で同じ画家志望だった白石を更生させるために、一緒に新聞売りの仕事をするが、白石は失踪する。
何かと気にかけてくれている宮木は草間と義兄弟だというほど親密になるが、警察をやめ、タクシードライバーになり、結婚する。結婚後も草間と付き合おうとするが、草間のせいで(オカマと付き合っていると噂されたため)警察官を辞めなければならなかったと、宮木の妻が草間を遠ざけた。
草間はある日、春日という自由人に出会う。一緒に新聞売りをし、共にソドミアであることがわかり、体を交わす。この春日にも草間は佐山の面影を見る。
幸せな日々は長く続かず、草間は結核となる。療養しながら新聞売りを春日としていたが、春日がソドミアであることがばれ、クビになってしまう。
春日は故郷に帰り、草間は一人になり、草間もまたソドミアと結核が理由で新聞売りをクビになる。
頼るものもいない草間は上野駅から春日の故郷那須を目指して羽生に行くことを決意し、上野に別れを告げた。

 

『ノガミ物語/石西武雄/東京出版センター』