メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

山崎俊夫「弓の歌」の感想のようなもの

こんにちは! 急に気温が下がって世の中の皆様が風邪をひかないか心配になるメガネです。令和ちゃん、気温調節にもうちょっと慎重になってね!

さて、調べものもひと段落。季節も秋ということで、読書でもするかと買ったまま放置していた(好きな話だけかいつまんで読んでいた)山崎俊夫本に取り掛かりはじめました。
といっても、最初から読むでなく、やっぱりつまみ食い形式です。
いいんだ、読書スタイルは人それぞれだし、山崎俊夫は短編集だから…。

というわけで、今日は山崎俊夫『夜の髪』収録の「弓の歌」の感想です。

 

「弓の歌」は旧約聖書に出てくるダビデヨナタンの物語を山崎風にアレンジしたもの。
ダビデは、ユダ族の最初の王様で、ヨナタンは、ダビデの前にイスラエル地方を治めていたサウル王の息子にあたります。
家族に似ず、ダビデはむっちゃ美少年。さすが選ばれし子…。
天使がダビデを王にするために、当時の王様サウルを、ダビデの奏でる竪琴を聞かないと、治らない病気にしてしまいます。その、サウルの許に召し上げられるダビデ(この記述は「弓の歌」にありません。一介の羊飼いのダビデが急に王に召し上げられて、なんで!?というところから物語はスタートします。)。
最初は気に入られて、洋服剥がれ、薄絹や装飾品をまとわされて、(夜伽もあって? 王の衣が肌を這うって、夜伽としか思えないんですが)、寵愛を得ますが、ダビデの人気が出てくるにつれ、サウルはダビデが疎ましくなります。
一方サウルの息子ヨナタンダビデを愛していて、なんとか彼を逃がそうと策略を練ってくれます。
美少年と美青年の深夜のやり取りとか、美しすぎやしませんか…(語彙力)。
結果的に城に囚われの身だったダビデは城を出て、身を潜ませますが、その間、サウルが近隣の国と戦争してまけて死亡。ヨナタンも一緒に死んでしまいます。
それを知って悲嘆にくれるダビデ…。ヨナタンを思う歌を作って、竪琴で奏でます。そのうたが、「弓の歌」なのです(タイトル回収フラグ)。

 

という物語を、山崎俊夫の耽美な文章で描かれたらもうたまらない。神様素敵なものを読ませてくださりありがとうございます! となります。はい。

 

ちなみに、山崎俊夫の本は現在入手困難になってますが、本を出した奢灞都館の生田耕作氏の息子さんがアトリエサバトを立ち上げて、現在電子書籍化にいそしんでいらっしゃるそうです。
2022年にはよい情報が流せるかも―とのことなので、電子書籍山崎俊夫が読める時代が来るのかもしれません。持ち運べる山崎俊夫、萌しかない…。

 

次は、山崎俊夫『神経花瓶』収録の「雛僧」を紹介出来たらなと思います。はい。

 

秋の読書楽しいですねー!