大正・昭和の男色小説を探すときのバイブルと言えば、岩田準一の『男色文献書誌』だが、この本に出合うまでの男色小説探究は、それはそれは大変だった。
戦後の性風俗雑誌やゲイ雑誌などで、この小説が男色だ、という記載を見つけるも、作品名と著者しかわからず(後で調べて、著者名が間違っていることもあった)全く作品にたどり着けない。
コロナ禍に一時的に無料公開されたざっさくプラスでようやく掲載誌がわかり、掲載誌の所蔵を国会図書館並びに文学館に確認し、複写申請を出す、といった具合だった。
しかし現在はざっさくプラスは有料で、個人ではおいそれと手が出せない。
そんな風に、男色小説探しが難航する中で、メガネ文庫は一冊の本を入手する。
岩田準一の『男色文献書誌』だ。
天暦5年以前の伊勢物語から始まり、昭和18年9月の歌舞伎史の研究の間に詰まった男色小説の数々。
図書館のリファレンスやざっさくプラスで探していた作品の、タイトル、著者名、掲載誌、掲載号まで網羅している!
ありがた山のかたじけなすびやないかい。
この書誌の楽しみ方は、ぼーっと眺め気になるタイトルを見つけたら図書館などでその雑誌を探す、こと。
最初から最後まで読むなどとかっちりしたことをすると楽しめない。
今日は歌舞伎の気分だから歌舞伎若衆を、今日は文豪の男色小説を知りたいから文豪の小説を、何となく論評が気になるので論評のタイトルをあたってみよう。そんな感じで大丈夫。
その中でお気に入りの男色小説に出会えたら儲けものだ。
さて、X(旧ツイッター)でメガネ文庫が『男色文献書誌』のおかげで出会えた男色小説のエッセイでも作ろうかとつぶやいたら、個人的にリスペクトしている書肆菫礼荘様より、「ウホッ!! イワジュンの男色文献セレクション」(薔薇族で活躍した山川純一と岩田準一をかけたタイトル。こういう発想がすぐ出てくるところを尊敬します)というタイトルはどうですかとお声がけいただいた(冗談かもしれないが、私的にこのタイトルは面白くて気に入っている。私にこんなタイトルをすぐに生み出す頭の回転の良さがないので)。
当分、ブログ「メガネの備忘録」で公開して、まとまったら冊子にしようかなという、一種の決意宣言として、このブログをしたためているわけです。
(その前に山川純一の漫画を探しに行かねばなりません。未読なので)