メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

『奇抜探求』1952年8月(秘本探宮悦楽号)「二人の男に惚れられた男娼」

カストリ雑誌にソドミアはいねがーと、なまはげスタイルで
生きております。メガネです。

『奇抜探求』1952年8月(秘本探宮悦楽号)を入手しまして

「二人の男に惚れられた男娼」という記事が面白かったので紹介をば。

ちなみにペデさん(BLで云う所の攻め)2人に惚れられて
どうしようかなやむウールさん(BLで云う所の受け)の話かと思ったら
二人のウールさんに囲まれたペデさんの話で、
タイトル詐欺ではないかとなったのは秘密です。はい。

警察からきいた話ですが、と云う所からは始まるこの話
お分かりですね、刑事事件ですよ。ただの恋愛じゃないですよ、
ここは伏線です。

一人息子の健也が6年ぶりに復員、母は喜びますが、
なぜか戦友二人を連れて帰ってきたのです。いわく、応召から
ずっと一緒で仲良しの戦友であること、故郷が広島で原爆で
家も家族を失ったので一緒に東京に連れてきた、と。
大戦中は戦地に居て、終戦後はシベリアに抑留されていたのに、
健也が連れてきた、岡野と江口は二人とも女のように色が白く、
艶々した肌をしていて、
対照的に息子の健也は見違えるほどたくましくなっていました。
健也は応召する前に勤めていた会社に復帰し、
二人の戦友も同じ会社で働くことになり、二人は健也宅に
下宿するようになりました。

暫くすると健也の部屋から夜ごと女の声が。
老母が驚いて、確認すると、女を連れ込んでいたのではなく、
二人の戦友としっぽりしていたのです。
白粉や紅をつけ、赤い赤襦袢を着る二人。
実はもともと旅回りの芝居の女形だったのです。
時を同じくして健也に惚れた二人は、
塹壕の中でぴったりと体をくっつけるときなど、すっかり欲情して
健也を籠絡してしまいます。
健也もすっかり二人に夢中。シベリア抑留生活でも3人一緒でした
そんな二人をみて、老母は怒り、健也の勤める会社の人事部長に相談、
急遽、健也は結婚することとなり、二人は健也の部屋から追い出されてしまいました。
老母への憎しみを募らせる二人。
翌朝、冷たくなった絞殺死体が発見され、同居人の岡野と江口の二人は
忽然を姿を消した――。


というお話。
まさかの軍ソドでその記述が興味深かったのと、
最後がまさかの刑事案件になっていて、はじめのほうの
伏線も見事回収されていて、さすがというか。
男娼と書いてオカマとよませるのかなるほどとか、
いろいろ興味深かったです。はい。