メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

軍隊ソドミアレコード第二回 会員制雑誌アドニスの記録

軍隊ソドミアレコード第2回は、会員制雑誌『ADONIS』に掲載のあったものを紹介。
なお、『ADONIS』はゲイ雑誌で、三島由紀夫中井英夫などが変名で小説を投稿していたことで有名。
私はあまり詳しくないので、ネットなどで調べてください。

会員制ゲイ雑誌に軍隊ソドミアが載っていたのをなぜ知ったかというと、林月光目当てでさがしていた雑誌『さぶ』やホモの譜という連載が気になって集めた雑誌『桃源郷』(エドプロ)の掲載小説の元をたどったらアドニスであることを教えてもらいました。
以下は、全部ではありませんが国立国会図書館大宅文庫で複写が可能なので、興味があったら探してください。

なお、個人的感想ですが、アドニス掲載の軍隊ソドミア小説はロマンがある気がします。


アドニス5・6号】南十字星 夢紅ひかる
主人公・京は北原少尉に告白され、結婚しようとまで言われるが、上部に二人の関係がばれ、北原少尉は転属となり、涙の別れとなる。


アドニス5・6号と7号】煉獄 かびや・かずひこ
私は、城之崎龍助が病死したというハガキを受け取る。
そして始まる回想。城之崎とは戦時中、漢口で一緒で、彼は伍長だった。
何かにつけて私を構い、2人は男色の仲に。しかし、城之崎は転属を命じられ、2人は別れ別れになる。未完。
ちなみにカストリ雑誌にあった「軍服姿の男娼たち」とほぼストーリーは同じである。

 

アドニス20号】闇の囁き 三沢達夫
軍に入り、戦友や上等兵班長と関係を持つ話。

 

アドニス22号】海行かば 野田馨
野田はH大佐に気に入られ、5年ほど愛し合い、生還したら故郷で二人で暮らそうと約束するも、H大佐ののっていた飛行機が故障し、自爆してしまう。

 

アドニス27号】海軍病院 たけだ・たかし
海軍病院を舞台に、疋田兵長と須山中尉に愛される私。山村と云う兵士が私にちょっかいをだし、ひと悶着起こる。最終的に、疋田、須山は原隊に復帰後、死亡。山村は戦後療養所に入るが一年足らずで死亡。

 

なお、「南十字星」「煉獄」「闇の囁き」は大宅文庫で複写可能。「海行かば」は雑誌『桃源郷』6号に転載されている(国会図書館にはないが古本で案外安く出回っている印象)。「海軍病院」は雑誌『さぶ』1976年2月号、3月号に分けて連載された。