メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

「お兄さんの日記」(桃源郷17号)

(noteにも同記事を掲載しています)

 

世の中いろんなソドミア小説があるんだーと最近しみじみ思うのですが、
東京大空襲を舞台にしたソドミア小説が存在したことを知り、ジャンル深いなと思いました。
タイトルは「お兄さんの日記」
桃源郷17号掲載。
初出はADONISです。

東京大空襲を経て、「私」は家族を失った少年・洋一を拾います。
最初は、おじさん、先生と「私」を呼んでいた洋一ですが、
「私」の希望もあって、「私」をお兄さんと呼ぶように。
二人は仲睦まじくなり(夜の営みもあり)、
家事全般を担う洋一はかいがいしい妻のよう。
まるで一組の夫婦のようになります。
しかし幸せは長く続かず、「私」の従妹T子が「私」の家に滞在し、
妻のようにふるまい(「私」は同性愛者なのでそれを嫌がっている)
洋一を追い出し、「私」は辟易。
親戚に見つかった洋一は親戚に引き取られていきますが、
その先であまり良い扱いを受けなかったのか、
(家族の食事も事欠くのに、親戚の子が優遇されるはずもなく)
再び「私」の元に戻ってきます。
「私」は洋一が戻ってきたのを機に、T子を追い出すことを決意します。

なお、ADONISで2回連載されたものの未完だそうで、
とても気になるやないか…。