畑中千晶先生の『これからの古典の伝え方 西鶴『男色大鑑』から考える』を拝読しました
男色大鑑のコミカライズの解説の依頼が来たことをきっかけに、男色大鑑と現代のBLとの親和性を感じ、西鶴研究者の方々と、BL世代が読みやすい男色大鑑の現代語訳版を作る過程と、それが出来た先に起こったトークショーや、NHKの番組や、演劇化などのアダプテーションをとても分かりやすく描いています。
また、著者が名前しか知らなかったBLの世界に飛び込んで、『囀る鳥は羽ばたかない』に感銘を受け、男色大鑑と『囀る~』の共通性を見出したりするところは、やはり文学者の視点だなと興味深く拝読しました。
男色大鑑はいわゆる黄表紙的なものだと思っていたのですが、畑中先生らの手掛けた男色大鑑の現代語訳版があまりに自分たちの世代に親和性のあるBLの形をとってくれていたので、すごく身近に感じましたし、読みやすかったことを思いだしました。
今回、本ができる裏話を知ることが出来て、面白かったです。