メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

【匂いたつ男色能の物語シリーズ2】恋ゆえに悪僧と呼ばれ、死したのちも怨霊となるある男の話ー男色能「東心坊」のご紹介

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こんにちは。メガネです。
九州男児先生に教えていただいた、男色の香りがする能の演目で、
「東心坊」というのがあるのですが、
ネットサーフィンしても見つからない!
というわけで、「東心坊」の謡曲が載っている、『田中允編/未刊謡曲集 続十/古典文庫』からあらすじを起こしていこうと思います。

何分素人ですので、解釈間違いや誤訳があったらごめんなさい!

それでは、あらすじはっじめるよー(ノリ軽いな)

「東心坊」あらすじ

私は越前の宰府の者なんだけれど、東心坊という悪僧を謀ってしづめろって言われてきました。
とりあえず、舟を用意して、東心坊が来るのを待ちます。
すると、現れた東心坊。
「仏前に参るところです」とやってきたので
何のためのお参りかと聞くと、
「私は西道のお子“鶴若”に仕えています。私たちは、西道にいろいろ言ったけれど、
(二人の仲を?)受け入れてもらえなくて、面目を失い、西道を調伏(呪い殺)しました」
はえーまじで、と思いつつ、
「東心坊さん、鶴若くんを呼んで、舟遊びしませんか」と、東心坊を罠にかけるため、
鶴若を呼び寄せました。
舟に乗った東心坊の前で、鶴若が舞います。
東心坊は「いつかは君と枕定め(同衾)したいなぁ」などとほざいています。
東心坊が鶴若に夢中なうちに、舟を漏水させ、沈めてしまいました(水死させました)。
やった、しづめた、と喜んでいたら、
東心坊、魂となり果てて、報復にやってきました。
毎年4月8日は呪いで、国中たたってやる、舟を沈めてやるといきまいた東心坊。
しかし、今回はやめておくと引き下がりました

あらすじ起こしてみて

いや、好きな人と一緒になれないから親を呪い殺すって、すごい悪僧もいたもんです。
鶴若君が愛しいゆえだったのでしょう
しかし、いつかは~といっているので、まだ同衾できていないよう。
恋は未遂だったのかもしれません。
東心坊の舟は沈みますが、鶴若君が沈んだという記述がないので、
別の船に乗せられていたのでしょうか。
謎が深まる…。
「いつかは君と、君と我とわれと君と。枕定めぬ」という謡は素敵だなぁと思いました。
はい

いや、この演目、舞台でぜひ見てみたいですね。
とても興味あります。
どこかの能楽堂さまー!

男色の香りのする能の演目は「松虫」だけだと思っていたので
今回このような話を知り、もっといろいろあるかもしれないなぁと思いました。

演目をお教えくださった、九州男児先生、ありがとうございました!