メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。

お能に出てくる美少年を知るシリーズ第10回「烏帽子折」のご紹介

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若衆研の、能楽師長山桂三氏を招いて行われた「花篝(はなかがり)の夜会」に参加しました。
いやー、オンラインリモートの講座で、能の幽玄の世界へ誘われるとは。すごい時代が来たものです。
さて、その会の中で、長山氏の息子さんの凛三氏が舞った「烏帽子折」という作品を見せていただいたのですが、なんと牛若丸の物語! というわけで、お能に出てくる美少年を知るシリーズ第10回は「烏帽子折」の紹介です。


あらすじ

吉次が、商売のために東へ向かおうとしているときに、鞍馬寺を飛び出した牛若丸(後の義経)が現れ、一緒に連れて行ってほしいと頼みます。
二人は近江鏡の宿(滋賀県竜王町鏡)に到着します。
宿で、牛若丸は追手が来たことを知り、稚児姿ではすぐ見つかり捕らえられることから、元服して髪を切り、烏帽子をかぶることを思いつきます。
烏帽子屋を訪れた牛若丸は、左に折れた烏帽子を所望。それは源氏を表す烏帽子でした。
烏帽子の代金に牛若丸は持っていた刀を差し出します。その刀を見た烏帽子屋の妻は、刀を見て涙します。
というのもこの妻は、源義朝(牛若丸の父)に仕えた鎌田正清の妹であり、その刀は自分が使者として牛若丸が生まれたときに渡したものだったからです。
お互い御素性を知り、再会を果たした二人ですが、夜明けとともに、牛若丸は奥州へと旅立ちます。

牛若丸一行が赤坂宿についたことを聞きつけて、悪党熊坂長範たちが夜討を計画しているという話が牛若丸の耳に入ります。吉次が宿を発とうとしますが、牛若丸は逆に自分が斬り伏せるといって、宿を発たずに、夜襲に備えます。
夜襲に会う、牛若丸。バッサバッサと手下を切り倒し、悪党熊坂長範をもやっつけます。

 

ポイント

長山桂三氏いわく、「烏帽子折」は子方の卒業作品ともいわれるそう。
作中でも、稚児姿から元服姿に変わるので、確かに卒業を意識しますね。

見せ場の悪党熊坂長範たちと牛若丸の切った張ったの殺陣の様式美は
素晴らしいとしか言いようがありません。
子方のデビュー(鞍馬天狗で子方デビューする方も多いとか)にも
卒業(この烏帽子折ですね)にもかかわってくる、牛若丸の物語。
能と牛若丸の関係性についても、想いを馳せたいなぁと思いました。

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なお、下記のサイトを記事の参考・引用に、使わせていただきました
ありがとうございます。
【烏帽子折】
http://nohgaku.s27.xrea.com/tokushu/eboshiori-1.htm