メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

映画「大いなる自由」感想のようなもの、盛大にネタバレしているので鑑賞後読んでください

フォロウィーさんのいいねで回ってきた映画、「大いなる自由」
軽率に観に行こ! と観に行ってきたのですが、
大変おいしゅうございました

 

greatfreedom.jp

 

以下感想。
おりたたみ

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始まりは1968年。
ハッテン場の公衆トイレにカメラ仕掛けたらわーお! というシーンから始まり
主人公ハンスが手慣れた様子で(M検ばりに潔いお尻の見せ方)刑務所に入ります。
時系列順に物語が進むのではなく
やらかして独房に入って、独房の暗闇から時代が行き来するオムニバス形式。
この感想は時系列で書きます。


1945年、刑務所に入ったハンスはヴィクトールと同室になり、ハンスの罪状が175条(同性愛)だとわかると、ヴィクトールに嫌悪されますが、腕の刺青からナチスに収容されていたことがわかると、ヴィクトールの態度が軟化、炭や針を盗んで、ナチスでつけられた刺青をヴィクトールが上書きしてくれます。
ところで、その入れ墨は何柄なんですか…。気になるよ。

 

1957年、恋人オスカーと刑務所に入ったハンスは、聖書に針で穴開けて暗号のやり取りをオスカーとしますが、オスカーはハンスに言葉を届けるすべをもたずに屋上から飛び降り自殺。
嘆くハンスを抱きしめてあげるヴィクトールにきゅんとなりました。
(二人を引き離した刑務官に心の中でブーイングでしたが)
ちなみに性欲減退薬を服用させられているという妄言から、写真の女性に欲情できなくなったのか、聖書運搬の代償にヴィクトールがハンスに口淫を求めるシーンでは、刑務官がいつ来るかドキドキひやひやものでした。
ちなみに聖書を使った暗号というのが小説の読み過ぎでテンプレか? と思いましたが、言葉を伝えるための労力を思うとほろりとしました。
あと、オスカーとハンスがふたりで過ごす湖の夏の8ミリビデオが素敵すぎて眩しい。

 

1968年、もはや手慣れたハンスがたまたま一緒に入った教師のレオと刑務所内でうまく恋を紡ぐのをやきもきしながら見ているヴィクトールがかわいい。
そしてヴィクトールの予感が当たり、同性愛の罪をすべてハンスに擦り付けるレオ…。オスカーに似てゐなかったら殴っていたよ、メガネさんが。
そうなんです、このレオ、どことなくオスカーに似ている(メガネさんの目が曇っていないなら)。だから罪を全部被って刑務所の外に出してあげたのかなぁ。オスカーの死はハンスの心にすごい爪跡を残したと思うので。
で、ヴィクトールの方は、ハンスに会うたびに刺青がどんどん増えていって、そして薬を服用しすぎて、外に出る機会を薬のせいで失ってしまいます。
そんなヴィクトールに過去の恩を返すかのように、ハンスが介護するわけですよ。1945年から1968年の間に23年経っているから、青年は中年になっているわけで、心の中の綿貫六助がざわって動きました(どんな…)。


ちなみにヴィクトールとハンスの性行為もあるんですが、事後みたいなシーンの切り替えするから大丈夫です(何が)。朝のシーンで、察し…ってなります。はい。ハンスのお尻綺麗ね。
ヴィクトールの薬(ドラッグ)の離脱症状って苦しいんだろうなぁと、トイレで吐き続けたり、隠していた薬に手を出し所をハンスに薬をトイレに流されそのままハグシーン観て、しんみり。
お互い安心しあえる中になったからか、初めてヴィクトールの罪状がわかります。戦争で一人も殺さなかったのに、家帰ったらベッドに間男と妻が同衾してゐたら殺すわな。ヴィクトール被害者でした。でも、殺人は殺人だから、刑務所に23年もいるのか…。おおお。
もはや自分のものになってるヴィクトールの房に家みたいだとか言うハンス。このまま二人で刑務所ラブラブ生活?と思ったらまさかの175条改正で、ハンスが出所。出所する前、二人で逃げよう! 無理! のやり取りの後の房の窓壊そうとするヴィクトールに、
ああー! 二人で脱獄して、いなかの人の少ない村でひっそりふたりで老々介護しながら暮らして―! ってなりましたが、そうはならずに、ハンス出所。ああ無情。でも1945年の時から別れの挨拶をさせていないヴィクトール。ふ、伏線か…? とどきどき。
出所したハンスがゲイバー大いなる自由に足を運んで、イケメンの流し目につられてついていって、地下に降りたら、まー、爛れたセックス現場ばっかりでメガネさん魂消た。このシーンが一番R15だったんじゃないですかね!
せっかく、自由になれたのに、思っていた自由と違ったハンスはヴィクトールが好きな銘柄の煙草を買って、高級腕時計店に強盗に入り、そのまま警察を待つ…そしてエンド。
これはもう、刑務所に、「俺戻ってきちゃった!」エンドしか待ってゐないじゃん! ハンスを房に迎えて、瞠目しながら喜ぶヴィクトールをくれ! と思いましたがエンドロール後にそんなシーンはなかったので妄想するしかないなと思いました。
理想的には二人で出所後、やっぱり田舎の小さな家で老々介護して暮らしてほしいです。はい。
んで、一つだけ懺悔しますと、ヴィクトールの声がシソンヌのじろうさんにしか聞こえなくて焦った…。
あと、ハンスの胸毛…。前日まで三島剛やら長谷川サダオのイラスト見ていたので、胸毛もええかもしれんのう…。と感心しました(変態か)。

内容は好きなので、DVD出たら買いたいです。
だらだら文、お読みいただきありがとうございました!

 

追記

フライヤーに穴あいてるんですけど事故でもなんでもなく、意味がちゃんとあって開いてるそうなので(ツイッターで示唆している方を見た)フライヤーもらうと元気出る