メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

さぶ1977年2月3月号 麻耶純夫 「江戸役者」の紹介

我らが褌フェチ先生こと麻耶先生は大体江戸時代ものが多いのですが「江戸役者」もその一つ。

歌舞伎俳優の業を描いた作品です。
駆け出し役者の男之助と雪三郎(名前からして意識してますね)は桜姫東文章権助桜姫役であたり役者に。
二人も互いを意識して、舞台上で乳繰り合う(?)ほど。

けれど雪三郎が好きになったのは黒人の血を引く黒子の忠八だったのです(!)

忠八と仲良くなるほどに男之助にそっけなくなる雪三郎。男之助は可愛さ余って憎さ百倍。

とうとう舞台「女殺し油地獄」上で、雪三郎を、舞台袖で忠八を殺します。

男之助は捕まり、市中引き回しに。

あの、人気役者が!? と町民が群がります。しかも褌に(苦笑)

何処からともなくやってきた蛇が男之助の股間にまとわりついて、男之助は苦悶します。その表情を三代目豊国がみていて、スケッチをし、

男之助処刑から3日後に男之助市中引き回しの絵が販売されたとか。

 

たぶん、昭和のニザタマ桜姫東文章の舞台を見て、そのまま筆がのって書いたのではないかなという作品。

ちょうどシネマ歌舞伎桜姫東文章を見た後だったので、読むのにタイムリーな作品だなと思いました。

 

ちょっと備忘録。