メガネの備忘録

文豪の人間関係にときめいたり、男色文化を調べたり、古典の美少年を探したりまったりワーク。あくまで素人が備忘録で運用してるブログなので、独断と偏見に満ちており、読んだ人と解釈などが異なると責任持てませんので、転載はご遠慮ください

2023年12月23日は「首」を見ました

今年は、ブロマンス、LGBT、男色映画が続々見れてうれしい限りです。
「ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ」についても書きたいんですが、
「首」の熱狂が冷めないうちに感想を。

movies.kadokawa.co.jp

 

映画感想サイトで酷評されている「首」。
どんなにひどいんだろう(失礼)と思いながら見ましたが、
期待値が低かったので、逆に面白く、あの時代をそう書くのかと素直に面白かったです。
武士だ百姓だ、と天下人の周りでは騒いでいますが、
冒頭からポンポン首が飛ぶし、命の価値に貴賤はなく、
とりあえず簡単に首が飛ぶ(人が死ぬ)。映画のパンフレット見たら
北野氏がベトコンでみてから~と記述があり、なるほど、と。
命の軽さが首を飛ばすことで、簡潔明快に描かれている。

男色で減点、という声も多かったですが、
男色といっても、村重と光秀の乙女のような恋模様と、裸で並んで寝るシーンと
若干村重が光秀まさぐってましたけど、表現としてはライトだし、
信長と蘭丸のシーンも過敏にならなければ、気にならない程度のものでした(大部分布団で隠れてる)。
いや、洋画の男女エロの方がよほど目のやり場に困るというか。
饅頭キスもライトな感じだったしね(個人的感想です)。
ただ、今年の春に「エゴイスト」を浴びたので、個人的には
男色の描き方不器用だなぁと思いました。
いや、器用な男色ってなんだよ、って話ですが。
とりあえず、村重は愛情をハグで表現しすぎです。

 

秀吉が主役~みたいにどっかで書かれてましたが、
光秀をめぐる恋のさや当て~別アングル秀吉のたくらみ~
にしか見えない。
村重が乙女全開で、かつテクニシャンで、何かあるとすぐに
愛情の所在を光秀に聞いちゃうの、彼女か! って突っ込みいれたくなりました。はい。
村重のラストは生存IFがあってもいい感じでした。あれは光秀の優しさだと思うよ。

 

話のグループは「信長回り」「秀吉周り」「光秀周り」「家康周り」「曾呂利まわり」などと
グループ化がされていて、それらのグループが交差して、化学反応しているようでした。
印象として武将の問題を、愛憎で片付けたこと(名誉とか武士道とかで語ると複雑化してわかりにくい)、要所要所にギャグを入れて、えげつないシーンも重くせずに軽くしていること、などがポイントかと。
忍者とか秘密の里とか、妖しい人間とか、海外受けしそうな場面も随所に入れて、エンタメ化を図っているなぁと感じました。

これが、戦国時代ではなく、現代のやくざ映画だったらもっと違う評価がされていたんではないかと。


役者さんはテレビで見たことある人達だったので、
豪華すぎて一部無駄遣い(ほめてる)だなと思いました。

あと、意外と褌シーンが多くて、目の保養でした(変態か)。


家康の影武者とか、黒人の家来の弥助とか、いろいろ歴史の要所押さえていて、感心。戦国鍋TVの信長と蘭丸の「敦盛2013」の歌詞に出てくる、お馬揃えの大パレードの意味をこの映画で初めて知りました。な~る~。

 

時代物とか男色とか、何も考えずに、ぽけーッと、エンタメ娯楽映画だー!
位の気持ちで見ると楽しいかもしれません。
歴史のあら捜ししながら見ると(〇〇の理想像は~みたいなやつ)
楽しみが半減します。

エンタメはエンタメ。戦国時代を舞台にしたファンタジー

ファンタジーに史実もくそもないと思うし、
史実を再現したければ、自分で歴史書読んだらいいし。
北野武の戦国時代二次創作、ぐらいの気持ちで見ればよいのでは。

追記

加瀬さんが自分より大きい人を相手にしなくちゃいけなくて~とパンフレットに書かれていた文言に(´∀`*)ウフフってなりました